金属3Dプリンタの実用化が加速 DMG森精機とマザックが語るDED方式活用例:FAイベントレポート(3/3 ページ)
金属3Dプリンタの実用化が製造現場で進んでいる。「名古屋レーザフォーラム2026」において、DMG森精機とヤマザキマザックが登壇し、DED方式のAM複合加工機の活用例などについて語った。
大型産業用ロールをAMでコーティング、高い耐摩耗性
現在、めっきの代わりにAMを使う動きが活発になっている。電気めっき業者の数は環境規制や職人不足により減り続けている一方で、硬質クロムめっきの需要はますます高まるとみられている。そこでヤマザキマザックでは、レーザーを用いたAMによるめっき代替コーティングの技術開発に積極的に取り組んでいる。
硬質クロムめっきは、特に耐摩耗性を目的として採用される。AMによるめっき代替コーティングの試験結果では、硬質クロムめっきはビッカース硬度800以上であるのに対して代替材料は硬度が低いものの、摩耗量はクロムめっきの10分の1となり、摩耗に対して十分に耐えられることが確認された。
めっき代替を行った例が、工作機械の主軸に搭載されるドローバーだ。ドローバーは皿ばねの内周面とこすれ合う。200万回の耐久テストで損耗率を確認したところ、社内基準値をクリアしており十分代替可能であることが示された。
半導体やリチウムイオンバッテリー電極の製造工程に使用される産業用ロールも、クロムめっき処理されている。アルミや銅のシートにスラリーを塗布する工程で使用される。産業用ロールにAMコーティングによる代替めっきを適用することで、特定産業廃棄物を削減するとともに、リードタイムを12日から1日にまで短縮した。
産業用ロールは大型のため、ワークの載せ替えも手間がかかるが、同社では大型品にも対応できる大型のAM複合加工機を提供している。装置のレーザースポット径は1.5〜4.9mmの可変で、厚く盛りたい時は太いビーム、高速で大面積を処理する場合は細いビームといった使い分けを行う。溶融池の温度モニタリングによりレーザーにフィードバックをかけることで、安定した加工を可能にしている。
ロールダイカッタの事例では、断面硬さはビッカース硬度800から900以上を得た(図4)。積層高さも20mm程度まで対応できる。非常に硬く割れやすい材料だが、工夫することで高さも十分に出せるようになった。
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