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生分解性添加剤を備えたポリオレフィン系プラが海洋環境で生分解可能と判明:研究開発の最前線
ピーライフ・ジャパン・インクは、生分解性添加剤「P-Life」を添加したポリオレフィン系プラスチックの分解に適した海洋性微生物の単離に成功した。
ピーライフ・ジャパン・インクは2026年3月3日、生分解性添加剤「P-Life」を添加したポリオレフィン系プラスチックの分解に適した、海洋性微生物(分解菌)の単離に成功したと発表した。慶應義塾大学、SI樹脂産業、伊藤園、湘南貿易との共同研究による成果だ。
P-Lifeは、微生物分解が困難とされる難分解性プラスチックに生分解性を付与する添加剤だ。今回の研究では、P-Lifeを添加したポリオレフィン系プラスチックが、海洋環境でも生分解が可能であることを示した。さらに、探索源や分離条件を工夫して海洋性微生物の分解菌の単離に成功した。また、熱とUV処理の分解速度への影響を検証し、無添加物に比べてP-Life添加による分解効率の向上を確認した。
研究グループはこれまで、P-Life添加ポリオレフィン系プラスチックの分解菌を複数発見している。しかし、これらの分解菌は土壌由来であり、海洋環境で分解が進むかは不明だった。
同研究により、海洋性分解菌が、P-Life添加プラスチックに対して高い分解能力を示すことを明らかにした。海洋性分解菌とP-Lifeの組み合わせにより、海洋環境におけるプラスチック分解効率の大幅な向上が可能となり、海洋へ流出したマイクロプラスチックの問題解決への貢献が期待できる。
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