対象所見を10種類に拡充した胸部単純X線画像病変検出ソフトの提供を開始:医療機器ニュース
富士フイルムは、AIを活用して胸部単純X線画像から異常所見を自動検出するソフトウェアの新バージョン「CXR-AID Ver3.0」の提供を開始した。対象異常所見を従来の3種類から10種類へ拡充した。
富士フイルムは2026年2月6日、胸部X線画像病変検出ソフトウェアの最新版「CXR-AID(シーエックスアール エイド) Ver3.0」を発売した。販売は、富士フイルムメディカルが担当する。
CXR-AIDは、深層学習を設計に用いたAI(人工知能)技術を活用し、胸部単純X線画像から病変が疑われる領域を検出して医師に再確認を促すものだ。これまで、結節と腫瘤影、浸潤影、気胸の3種類の異常所見を検出してきた。
新バージョンでは、対象とする異常所見に無気肺、石灰化、瘢痕、胸水、気腹(フリーエア)、心拡大、縦隔拡大の7種類を追加し、計10所見にまで範囲を広げた。これにより、緊張性気胸や消化管穿孔といった、生命予後に関わる緊急性の高い疾患の早期発見を支援する。
表示機能についても改良を加え、異常所見の存在可能性を色付けして示す「ヒートマップ表示」に加え、新たに「輪郭表示」と、これらを組み合わせた併用表示を選択可能にした。モノクロモニターを使用する読影環境においても視認性を確保できる。
また、検出領域ごとに所見名と確信度を示すスコアを個別に表示する機能や、複数の所見が重なる領域でそれぞれの輪郭線を独立して表示する機能を実装し、詳細な画像診断をサポートする。
胸部単純X線画像は、骨や血管、臓器が重なって写るため病変の識別が困難な場合があり、特に健康診断などの大量の画像を読影する現場では医師の負担軽減が課題となっていた。富士フイルムは、AI技術ブランド「REiLI」のもと、医療画像診断や術前シミュレーション、現場のワークフローの支援を通じて、医療の質の向上と社会課題の解決に貢献していくとしている。
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