デクセリアルズ、減益も光半導体を成長ドライバーに通期目標達成を目指す:製造マネジメントニュース
デクセリアルズは、2026年3月期第3四半期累計の連結業績について、売上高が前年同期比0.2%増の872億9600万円、事業利益が同1.2%減の314億7100万円になったと発表した。
デクセリアルズは2026年2月10日、東京都内とオンラインで記者会見を開き、2026年3月期第3四半期累計の連結業績(2025年4月1日〜12月31日)について発表した。
レアアースの調達について懸念
2026年3月期第3四半期連結業績の売上高は前年同期比0.2%増の872億9600万円、事業利益は同1.2%減の314億7100万円、営業利益は同7.3%減の304億5100万円となった。
デクセリアルズ 経営戦略本部 副本部長の真弓秀貫氏は「全体概況としては、2025年上期(4月1日〜9月30日)末に蛍光体フィルムの事業展開を終息した影響や、自動車向け反射防止フィルム(ARF)の新規納入積み上げが売上高の減少に働いた。しかし、光半導体や形状加工異方性導電膜(ACF)といった高付加価値製品の販売数量拡大により、為替影響を除いても増収となった」と話す。
事業利益については、売上高同様のマイナス影響と光半導体向けを中心とした成長投資による固定費の増加を高付加価値製品の販売数量拡大でカバーし、為替影響を除くと増益になったという。
セグメント別では、光学材料部品セグメントの売上高は同9.7%減の376億7200万円で、事業利益は同12.0%減の120億200万円となった。光学フィルムカテゴリーでは、2025年上期末における蛍光体フィルムの事業展開終了や自動車向けARFの新規納入積み上げの影響、第3四半期においてノートPC用ディスプレイ向けARFの引き渡し時期が一部後ろ倒しとなったことで、減収となった。
光学樹脂材料カテゴリーでは、精密接合用樹脂において採用モデルの販売数量が増加したが、光学弾性樹脂(SVR)で一部採用モデルの販売数量が減少したことで、減収を記録した。
電子材料部品セグメントの売上高は同9.3%増の502億9200万円、事業利益は同6.8%増の194億6800万円となった。同セグメントは、ACFカテゴリー、表面実装型ヒューズカテゴリー、フォトニクスカテゴリーで構成される。
ACFカテゴリーでは、ディスプレイ向けACFにおいて前連結会計年度への需要の前倒しなどがあったが、カメラモジュール向けでは高付加価値製品である形状加工ACFの使用量が増加したことで、増収となった。
表面実装型ヒューズカテゴリーでは、主要顧客で電動工具向け製品の在庫調整が前期で終了したことに伴う生産回復に加え、データセンター向けバッテリーバックアップユニット(BBU)の売上高が継続したことにより増収に至った。
フォトニクスカテゴリーでは、光半導体において光トランシーバー向けの高速応答フォトダイオードや通信機器向けのモニターフォトダイオードの出荷数量が拡大したことにより、増収となった。
真弓氏は「中国が行っているレアアース輸出規制により、フォトニクス事業で活用しているレアアースの調達について懸念している。今の段階では、足元の需要に対して必要なレアアースは確保できている。しかし、来期以降は中国の動向を注視しながら、中国のみならず、他国からのレアアースの調達についても検討する。現在は、光半導体の生産性向上で必要な人員や、高い専門性が求められる光半導体向けの人員の確保を進めている。併せて、光半導体の増産に向けて、社内においてこのカテゴリーで適用できる人材の調査や異動も検討している」と触れた。
2026年3月期通期業績の見通し
2026年3月期通期業績の見通しについては、2025年11月に開示した修正計画から変更なしとなる。メモリ価格高騰によるモバイルIT製品への影響と中国自動車市場の競争激化の影響を見込んでいるが、同計画の達成を目指すとしている。
真弓氏は「メモリ価格の高騰や中国における自動車市場などでの競争の激化を認識しており、そこの部分がマイナス要因になると十分認識している。一方、光半導体ビジネスで旺盛な需要がきている。現在、デクセリアルズの子会社であるデクセリアルズフォトニクスソリューションズで光半導体の新ラインの立ち上げを行っている。新ラインで生産した試作の評価を行っている段階だ。2026年の春をめどにデクセリアルズフォトニクスソリューションズの新ラインで光半導体の量産を行うために、準備を進めている」と述べた。
その上で、「これを第一に優先的にやっていこうと考えている。来期以降の成長ドライバーは光半導体ビジネスだとみている。こちらに経営リソースなどを重点的に差配することで、中期計画の達成以上を目指す」と補足した。
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