医薬品の安定供給へ、東和薬品と大塚製薬が戦略的協業を開始:製造マネジメントニュース
東和薬品と大塚製薬は、医薬品製造における戦略的協業体制の構築に関する基本合意を締結した。長期収載品の承継や製造委受託、相互バックアップ体制の構築を通じ、深刻化する医薬品の供給不安の解消を目指す。
東和薬品は2026年1月21日、医薬品製造における戦略的協業体制の構築に向けた基本合意を大塚製薬と締結したと発表した。大塚製薬が保有する長期収載品の承継や製造委受託、戦略的協業品目のライセンス活用を推進する。同年3月以降、生産準備が整った合意済み品目から順次開始し、先発医薬品企業とジェネリック医薬品企業の枠組みを超えた連携により、医薬品の安定供給体制を強固にする。
今回の取り組みは、近年社会課題となっている医薬品の供給不安解消を目的としている。協業の手法として、まずは長期収載品かつ基礎的医薬品を優先し、大塚製薬が保有する一部の医薬品を東和薬品が承継を前提に製造受託する。
さらに、東和薬品がジェネリック医薬品を開発する際、大塚製薬のライセンスを活用することで、相互のバックアップ生産体制を構築する。これにより、特許が満了した先発品とジェネリック医薬品を包括する「特許満了医薬品」市場において、持続可能な産業構造への改革を図る。
厚生労働省の発表によれば、2025年10月時点で全医療用医薬品の14%にあたる2208品目が限定出荷や供給停止の状態にある。また、長期収載品がジェネリック医薬品へ急速にシフトする中で、先発医薬品企業が蓄積してきた製造技術やノウハウが失われるリスクも指摘されている。
東和薬品は、治療上重要な長期必須医薬品を安定的に供給するエコシステムの構築を掲げている。
今回の合意はその第1弾であり、先発医薬品、ジェネリック医薬品、医薬品製造受託の各企業が連携する新たな循環モデルの実現を目指す。
両社は技術移管や承継に関する協議を深め、患者の治療に不可欠な医薬品の継続的な提供に貢献する方針だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ヤマ発とニコン米子会社が医薬品研究支援で戦略的合意
ヤマハ発動機は、Nikon Instrumentsと医薬品研究領域で戦略的提携に合意した。Nikon Instrumentsの研究支援拠点にヤマハ発動機の細胞ピッキング/イメージングシステムを設置する。
ベトナム初のポカリ工場、健康ニーズに応え350/500mlボトルを製造
大塚製薬のベトナム現地法人Otsuka Nutraceutical Vietnamは、イオン飲料「ポカリスエット」の新工場となるPhu My工場が完成したと発表した。350mlおよび500mlペットボトルのポカリスエットを製造する。
“再生医療のラストワンマイル”に挑む、細胞加工製造ユニット「KIOSK」が完成
Gaudi Clinicalは、医療機関近接型の小型細胞製造ユニット「KIOSK」を始動した。安確法適合の拠点を分散配置し、輸送コスト削減と品質維持を両立。「再生医療のラストワンマイル」をつなぐ次世代インフラ構築を目指す。
アステラス製薬がヒト型ロボットによる細胞培養の自動化に向け、技術指定を取得
アステラス製薬は、安川電機の子会社が開発したヒト型汎用ロボット「まほろ」を活用した細胞培養自動化システムで、米国食品医薬品局から先進製造技術指定を取得した。
義手とロボットの手を共通化するPSYONICのバイオニックハンド「Ability Hand」
触覚フィードバックを備えたバイオニックハンド「Ability Hand」を開発する米国スタートアップのPSYONIC。同社は、人間用とロボット用で同一のハンドを用いる設計思想の下、義肢とロボティクスの双方で製品展開を進めている。「3DEXPERIENCE World 2026」では、その開発背景に加え、設計/解析プロセスやダッソー・システムズのソリューションをどのように活用しているのかが示された。
医療機器産業が集まるインドのハイデラバードで研究開発の活動を開始
オリンパスは、研究開発戦略の一環として、インドのテランガナ州ハイデラバードで「オフショアディベロップメントセンター」の活動を開始した。数年後には、ハイデラバードにおける自社研究開発センターの開設を目指す。

