車載向け全固体電池に絶妙な圧力で、固体電解質と電極をつなぐ緩衝材:新機能性材料展 2026
テクノフローワンは、「新機能性材料展 2026」で、車載向けのセル間緩衝用の二段階圧力ひずみ特性(CFD)緩衝材「RESOAM」を紹介した。
テクノフローワンは、「新機能性材料展 2026」(会期:2026年1月28〜30日、会場:東京ビッグサイト)に出展し、車載向けのセル間緩衝用の二段階圧力ひずみ特性(CFD)緩衝材「RESOAM」を紹介した。
2029〜2030年に向けパイロットプラントの建設を検討
全固体電池のセルは充放電時に膨張/収縮する。膨張/収縮が起きた際に、固体電解質を正極と負極の電極に接着させるため、両電極の界面に圧力をかけて固体電解質に密着させ続ける必要がある。テクノフローワンの説明員は「しかし、圧力をかけ続けた状態で両電極の界面で膨張/収縮が繰り返されると、両電極における反発応力が上がり、全固体電池が壊れてしまう」と話す。
そこで、テクノフローワンはRESOAMを開発した。RESOAMは、独自の配合技術により、一定の範囲内で圧力を維持し続ける発泡体だ。これにより、全固体電池に取り付けることで、膨張/収縮しても過度な負荷をかけず、かつ膨張/収縮しても両電極と固体電解質の密着性を保てる。
テクノフローワンの説明員は「RESOAMは、CFDにプラトー領域を有しているため、追加圧縮可能な状態で初期拘束圧力を受け止められる他、セル膨張時の圧力上昇を大幅に改善できる。さらに、高い回復性を備えているため、充放電サイクル性能が高められる」と話す。
その上で、「車載向け全固体電池の開発を進める多くの自動車メーカーがこの特性を求めている。RESOAMの優れた点は競合他社にはない『配合設計技術』だ。この技術は特許も出願している」と補足した。
現在はサンプル提供を行っているという。全固体電池を搭載した電気自動車の本格的な普及が見込まれる2029〜2030年に向け、パイロットプラント建設の検討などを進めている。テクノフローワンの説明員は「既に国内外の自動車メーカーから高い評価を得ており、引き合いを受けている」と述べた。
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