自動運転機能は高級車限定から全モデルへ、TIがCES 2026で見せる最新車載技術:CES 2026(2/2 ページ)
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、「CES 2026」に出展する車載SoC「TDA5シリーズ」、4Dイメージングレーダー「AWR2188」、車載イーサネットIC「DP83TD555J-Q1」を発表した。
4Dレーダーで350m先の物体検知が可能に
4DイメージングレーダーのAWR2188は、8個のトランスミッター(送信機)と8個のレシーバー(受信機)をシングルチップに統合したレーダートランシーバーだ。
従来のレーダーシステムで高い解像度を得るには、複数のチップを連結させるカスケード接続が必要であったが、同技術はシングルチップのみで8×8の多チャンネル構成が可能となった。これにより、部品点数削減と基板設計の簡素化、センサーの小型軽量化を実現した。
同製品では、物体の距離、速度、水平角度に加えて、高さ(垂直角度)を測定できる4D検知を軸とし、チップ内部に66MspsのA-Dコンバーターと、266MHz/1μsのチャープ信号スロープエンジンを搭載することで、処理性能を従来比で30%高速化した。これにより、350mを超える遠距離の物体検知も可能となった。
システム構成の面では、各センサーで処理を行うエッジ型と、中央のSoCで処理を行うサテライト型の両方のアーキテクチャをサポートしている。同技術を担当するTI 高性能レーダープロダクトラインマネージャーのキーガン・ガルシア氏は「OEMが求めるさまざまな要件に対応できる仕様とし、各社のグローバル市場展開に寄与したい」と語った。
エッジノードとのリアルタイム接続
DP83TD555J-Q1は、車両ゾーン全体で大量のデータをリアルタイムに収集/送信するための車載イーサネットICだ。MAC(メディアアクセスコントローラー)を内蔵しており、標準的なシリアルインタフェースであるSPIを通じて多様なマイコンとの直接接続を可能とする。これにより、従来のCANやLINとイーサネットの間で必要とされた複雑なプロトコル変換ゲートウェイの排除を実現する。
また、ナノ秒単位の時間同期機能に加え、1本のツイストペア線で通信と給電を同時に行うPoDL(Power over Data Line)技術を搭載。これにより、ケーブル設計を簡素化し、ウィンドウやシート制御などのエッジノードともリアルタイムに大規模データの連携が可能となる。
スペーリック氏は、「これらの新技術により、AIによる迅速な判断、包括的な認識、統合ネットワークを実現し、OEMのさまざまな車両モデルでの自動化レベル向上を支援する」と述べている。
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