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進化を続けるパナの“画竜点睛”の通信規格Nessum 通信インフラとして需要が拡大製造業IoT(3/3 ページ)

パナソニック ホールディングスは、同社の通信技術である「Nessum(ネッサム)」に関する取り組みと技術概要、市場動向について説明した。

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ビルオートメーション分野を想定したNessumデモも披露

 ビルオートメーション分野では近年、業務用空調や清掃機、集合住宅向けインターフォンといった分野でIP対応と高セキュリティ化のニーズが高まっている。パナソニックHD 技術部門 事業開発室 Nessum部 シニアリードエンジニアの池崎一生氏は「これまではレガシー通信が主流だったが、データ取得頻度が上がり、メンテナンス性をより向上させるためにIP化が求められている。2024年12月に欧州で施行されたデジタル製品にサイバー攻撃への耐性を義務付ける法律『サイバーレジリエンス法』の影響も追い風になっている」と分析する。


ビルオートメーション分野での需要[クリックして拡大]出所:パナソニックHD

 この課題を解決するソリューションとして、Nessumに注目が集まっている。会見を行った会場では、実際にビルオートメーション分野でのNessum活用を想定した技術デモを披露した。デモについては、2芯ケーブルであるRS485をベースとしたビルの空調制御をBACnet/IP通信に置き換えて、実機制御を実行する(今回はNessumの旗を360度回転させる)という内容であった。


会場で披露したデモ機[クリックして拡大]出所:パナソニックHD

 従来のIP通信機器を活用してビル全体のネットワークを構築する場合にはLANケーブルを引き回す必要があった。LANケーブルは100mごとに通信を中継/増幅するための業務用ハブを用意する必要がある。そのため、ビルの中全体に高価な業務用ハブを設置する必要があり、多大な施工コストがかかってしまっていた。

 しかし、Nessum技術を活用することでLANケーブルや業務用HUBを一切使用せずに、ビル内に元から敷設していることが多いRS485のような2芯ケーブルを使用することでネットワークを構築することができる。

 「制御用のPCから送られたIP信号は、まずNessumネットワークに変換され、このRS485ケーブルを使用して信号を伝送する。そして最終的に、宛先の機器側で再びIP信号に戻され、Nessum端末に接続しているLANケーブルを介して機器に接続できる。ネットワークの中間部分をNessumに置き換えることで、既存のIP通信システムをそのまま活用できる」(池崎氏)


デモンストレーションの概要[クリックして拡大]出所:パナソニックHD

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