軸受常時監視のエッジ診断アプリケーション、Edgecross終了受けて新たに提供:FAニュース
NTNは、軸受の状態を容易に診断できるエッジアプリケーション「Bearing Inspector」を発売した。リアルタイム監視で故障リスクを低減し、点検作業の負担軽減に貢献する。
NTNは2025年11月17日、軸受の状態を容易に診断できるエッジアプリケーション「Bearing Inspector」の販売を開始したと発表した。NTNの正規代理店を通じて購入できる。
同社は2024年から産業用IoT(モノのインターネット)プラットフォーム「Edgecross」対応版のBearing Inspectorを販売していたが、Edgecrossコンソーシアムの活動終了を受けて販売を終了。今回、機能を追加した新アプリとして提供を開始した。
新しいBearing Inspectorは、エッジコンピューティングに対応し、特定の設備の軸受について振動センサーからデータを収集し、常時監視する。センサーの不具合による診断中止を防ぐため、センサー異常を検知する機能も備える。
診断結果は3〜5秒ごとに更新し、わずかな時間で発現した変化も検知できる。また、設定を簡素化しており、軸受情報や運転状況などの登録が不要なほか、NTN以外の軸受にも対応する。
診断結果は「正常」「初期損傷」「注意」「警告」の4段階で出力し、最大16カ所の結果を同時に表示できる。監視画面も刷新し、視認性と操作性を向上した。
導入や運用にインターネット接続は不要で、プラットフォームを問わず、より幅広い環境で使用できる。ネットワーク設備のない場所やデータを外部に出したくない状況でも利用可能だ。
同社では、導入負担の軽減を目的に初期設定サービスを用意しており、設備構成に応じた設定代行やサポートを提供する。
軸受の監視が求められる背景には、保全効率の向上や補修部品の早期確保といった故障リスク低減への取り組みが挙げられる。また、労働人口が減少する中、熟練者への依存を減らす必要が高まっており、デジタル技術を活用した作業効率化が進められている。Bearing Inspectorは故障リスクと保守作業負荷の低減に貢献する。
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