ニュース
中国の自国調達方針など影響、NTNが風力発電装置向け超大型軸受の生産再編:工場ニュース
NTNは、同社傘下のNTN宝達志水製作所の生産機能を、NTNの桑名製作所に集約する。
NTNは2025年8月29日、事業構造改革の一環として、国内における超大形軸受の生産体制を再編すると発表した。同社傘下のNTN宝達志水製作所(石川県宝達志水町)の生産機能を、NTNの桑名製作所(三重県桑名市)に集約する。
NTNではこれまで、桑名製作所およびNTN宝達志水製作所において、風力発電装置主軸用向けに超大形軸受を生産してきた。
しかし、中国市場において、地場の風力発電機メーカーのシェア拡大や中国政府による軸受の自国調達方針などを受けて中国向けの需要がなくなり、超大形軸受の生産体制を再編して桑名製作所に集約することを決定した。この再編により、「年間数億円規模の比例費および固定費削減効果を見込んでいる」(リリースより抜粋)としている。
NTN宝達志水製作所の生産機能は桑名製作所に段階的に移管し、生産移管の完了に伴い、2026年春頃をめどに閉鎖する予定という。
NTN宝達志水製作所は、NTNグループ内で生産する軸受の中で最大クラスの超大型軸受の生産拠点として2008年に設立され、2009年に生産を開始した。2025年4月時点の従業員は62人で、2025年3月期の売上高は21億4200万円だった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
NTNが新たに工作機械向け軸受などを開発、消費電力低減や加工精度向上に貢献
NTNは新たに複合加工機やマシニングセンタなどの工作機械向け軸受および軸受構成部品を開発した。いずれも「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2024)」(2024年11月5〜10日、東京ビッグサイト)において展示する。EV化対応進めるNTNの和歌山製作所、最新設備の“STAR”スマート工場を公開
NTNは新たに建設した和歌山製作所(和歌山県橋本市)の落成式を行った。最新設備やシステム、デジタル技術の活用でスマートファクトリー化を目指す和歌山製作所の取り組みを紹介する。独自設計による高振幅、高周波数の振動で毎分18mの高速搬送と補助エア削減を両立
NTNは「2023国際ロボット展」において直進フィーダ「クロスドライブリニアフィーダ」を披露した。AI活用で転がり軸受の余寿命を高精度予測、より正確な交換時期を把握
NTNは複数のAI手法を組み合わせた転がり軸受の高精度な余寿命予測技術を開発した。NTNが「しゃべる軸受」を開発、センサーと発電/無線ユニットを内蔵
NTNは、センサーと発電ユニット、無線デバイスを軸受に内蔵することで、温度、振動、回転速度の情報を無線送信する「しゃべる軸受」を開発した。装置内部に組み込まれる軸受がセンサーを内蔵するとともに、発電デバイスによって軸受の回転時に得られる電力を用いて無線デバイスを動作させ、センサーデータを自動で無線送信できる。NTNが能登地区における産業機械用軸受の一貫生産体制を確立
NTNは、石川県羽咋郡のNTN能登製作所に熱処理工場を増設した。産業機械用軸受の旋削工程後、三重県の工場で行われていた熱処理加工が能登地区で可能になり、鍛造から組み立てまで一貫した生産体制が確立する。