製造ラインの運用負荷を軽減する製造業向けエッジAIを共同開発:製造ITニュース
伊藤忠テクノソリューションズとIdeinは共同で、製造業向けエッジAIソリューションを開発する。部門ごとに分散したIoT機器の遠隔管理とデータ分析を組み合わせて、セキュリティ強化と運用負荷の軽減を支援する。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2025年11月20日、ディープラーニング高速化技術に強みを持つ、Ideinとの業務提携を発表した。製造業向けのエッジAI(人工知能)ソリューションを共同開発する。
製造現場では、AIカメラやセンサーを接続できる小型デバイスが普及し、設備の稼働状況や製品品質の可視化が進んでいる。一方で、機器の管理が部門ごとに分散し、セキュリティ設定の不統一や更新漏れが発生している。また、現場で得られる膨大なデータを改善につなげる仕組みづくりも求められている。
今回両社が開発するのは、IdeinのエッジAIプラットフォーム「Actcast」と、CTCのデータ活用支援サービス「D-Native」を組み合わせたソリューションだ。Raspberry Piなどの汎用デバイスをActcast上で一元管理して、設定変更やソフト更新を遠隔で実行し、セキュリティと運用面の課題に対応する。
さらに、D-Nativeが温度や湿度、製品サイズ、重量、エネルギー消費量などIoT(モノのインターネット)センサーで取得したデータの蓄積や可視化、分析を支援する。品質のばらつきや異常の予兆を早期に把握可能になるため、現場業務の改善につなげられる。
加えて、検査業務を自動化して作業を効率化するアプリケーションをRaspberry Pi上で開発できる環境も提供。アプリ開発をCTCが支援することも可能で、現場主導の業務改善を後押しする。
CTCはこれまで、自動車、電機、機械を中心とする製造業向けに、IoTやAIを使った生産ラインのデジタル化を推進してきた。Ideinとは体温検知デバイスやエッジAI解析ソリューションも共同で開発しており、今回の協業を基に、産業用ロボットの制御など、エッジコンピューティングの活用範囲をさらに広げていく。
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