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汗が目立たず、UVカット機能や防透性も備えた繊維を開発:材料技術
帝人フロンティアは、汗でぬれた部分を目立たせない他、UVカット機能や防透性も備えたポリエステル繊維「FINEHUNT」を開発した。
帝人フロンティアは2025年11月17日、汗でぬれた部分を目立たせない他、UVカット機能や防透性も備えたポリエステル繊維「FINEHUNT(ファインハント)」を開発したと発表した。
FINEHUNTは、、帝人フロンティア独自のポリマーコントロールおよび紡糸技術を応用し、酸化チタンを含む特殊断面のポリマーを中心に配置した、芯/鞘型のコンジュゲート構造を採用している。これにより、光を乱反射させて光の反射率を高め、汗でぬれた部分と乾いた部分の屈折率や透過率の差を小さくし、汗ジミを見えにくくしている。汗ジミが目立ちやすいグレーやベージュにも対応し、加工剤を使用していないため効果は長期間持続する。
また、光の乱反射で、紫外線や可視光線の透過を防ぐ。紫外線遮蔽(しゃへい)率は85%以上で、防透率は93%以上を達成。UVカット機能や防透性を付与できる。
同社は今後、一般衣料やカジュアル向け、ユニフォーム用途向けの原糸とテキスタイルで提供を開始。さらに、スポーツウェア向けなども予定している。2026年度に5億円、2029年度に15億円の売上高を目指すとしている。
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