安川電機が新たに自律双腕ロボット、人の動作を模倣“丁寧に確かに”箱詰め:2025国際ロボット展
安川電機は「2025国際ロボット展(iREX2025)」において、自律双腕ロボット「MOTOMAN NEXT-NHC10DE」を参考出展した。新たな双腕ロボットで、自動化領域の拡大と人手不足の解消に挑む。
安川電機は「2025国際ロボット展(iREX2025)」(東京ビッグサイト、2025年12月3〜6日)において、自律双腕ロボット「MOTOMAN NEXT-NHC10DE」を参考出展した。片腕の可搬重量は10kgで、2026年初頭の発売を予定している。同製品を使い、会場では梱包作業の自動化デモを披露した。
MOTOMAN NEXTシリーズはカメラやセンサーなどから得られた周囲の状況に合わせて、自ら判断して動作計画を立て、作業を完結させる自律制御ユニットが組み込まれている。
現状、一品一葉の形状の製品を梱包するには、人の判断や経験に基づく作業が必要で、自動化が困難な領域となっている。
デモはまず、人の腕のような自由度を持つ双腕が緩衝材をロールから引き出し、カットして卓上に設置。次に、シャフト状の製品を、ハンドで把持して緩衝材の上に載せ、少しずつ回転させて緩衝材を巻き、セロハンテープで止める。そして、箱に入れて緩衝材を追加し、ガムテープで閉じて梱包するという流れになっている。
デモで行った動作は、人の動作を模倣したものだ。まず人が手にマーカーを装着して梱包する様子をカメラで撮影。モーションキャプチャーによってマーカーの動きを点群データ化し、それをMOTOMAN NEXT-NHC10DEが読み込み、動作経路を生成した。
NVIDIAのロボットアプリケーション用シミュレーションツール「NVIDIA Isaac Sim」や強化学習、模倣学習用のフレームワークである「NVIDIA Isaac Lab」を活用して、模倣で生成したデータに対して学習を行い、より幅広い梱包作業に適用することも可能になるという。
「MOTOMAN NEXT 10」を使った商品の箱詰めデモも紹介した。
ネットスーパーで注文された商品の箱詰めをイメージしており、MOTOMAN NEXT 10はピッキングエリアに置かれた大きなティッシュを先に詰め、その後、ハンドソープ、カレールー、最後に卵のパックを箱に入れた。
大きく重いものは下に、軽くて割れやすいものは上に詰めるという人間の感覚的な判断をAI(人工知能)に学習させており、NVIDIA Isaac Sim、NVIDIA Isaac Labの仮想環境で箱詰めの経験を積ませ、MOTOMAN NEXT 10に組み込んだという。今回は重量のデータが商品とひも付いて、ピッキングエリア上部のカメラで商品の種類を認識し、箱詰めする順番を導き出した。重量のデータがなくても力覚センサーによって重さを認識することも可能という。
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