省エネと高メンテナンス性を備えた汎用真空グリッパー、最大80%エア削減:FAニュース
Schmalz(シュマルツ)は、省エネ性能と高い汎用性を備えた真空グリッパーの真空発生器一体型「FA-X」、真空発生器外付け型「FA-M」を発売した。多様なワークに対応し、最大80%のエア消費削減と高メンテナンス性を備える。
Schmalz(シュマルツ)は2025年11月5日、省エネ性能と汎用性を高めた真空グリッパーの真空発生器一体型「FA-X」、真空発生器外付け型「FA-M」を発売したと発表した。ワークに応じてパッドやスポンジの吸着面を選択できる。
FA-X、FA-Mは、段ボール、木材、樹脂成形品、薄鋼板など、通気性や形状のばらつきがあるワークでも安定して吸着できる構造を採用。新開発のエアセービング機能により、エジェクターの作動本数を制御して最大80%のエア消費量削減を可能とし、生産現場の省エネ要求に応える。
グリッパー本体には落下防止弁を標準搭載し、隙間のあるワークや数量の異なるワークでも吸着が安定する。標準仕様に加え、制御用ソレノイドバルブ内蔵タイプ「FA-Xc」「FA-Mc」、高機能タイプ「FA-Xi」「FA-Mi」をそろえる。FA-Xi、FA-Miは、液晶ディスプレイやIO-Link通信によるデータ監視機能を備え、真空圧の異常変動の検知や予知保全に対応する。
メンテナンス性も向上し、スポンジ部分は粘着残りしにくい独自シールを採用し、交換が容易となっている。工具を使わずに分解できるエジェクタユニットにより、ノズルの洗浄も簡便で、日常点検の工数削減につながる。ロボットへの取り付け自由度も高く、幅広い搬送工程に対応できる設計になっている。
FA-X、FA-Mは、2025年12月3〜6日に東京ビッグサイトで開催される「2025国際ロボット展」のシュマルツブース(E4-31)で展示を予定している。会場では実機を用いた搬送デモを通じて、段ボールや木材などのピッキング性能を確認できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
エアーは悪じゃない、真空を操るシュマルツが描く次の成長図
真空を活用した吸着機器や手動搬送装置を手掛けるシュマルツ 日本法人の社長に就任した小野雅史氏に話を聞いた。
隙間があっても吸着搬送、協働ロボットのパレタイジングなど向け軽量ハンド
真空機器メーカーのシュマルツは軽可搬ロボットを使用したパレタイジングやデパレタイジング向けの真空グリッパー「ZLW」をリリースした。
現場/経営の“省力化”に役立つ助力装置とは何か【基本編】
本稿では、製造現場や物流業務における重量物搬送の省力化に役立つ助力装置の概要や、導入する際のリスクアセスメントについて解説します。
現場/経営の“省力化”に役立つ助力装置とは何か【実験編】
本稿では、助力装置を導入する際のリスクアセスメントについて、体格の異なる2人による作業デモを通して解説します。
これで誰でも力持ち 片手で最大50kg扱える真空バランサーを刷新
シュマルツは、最大50kgの荷物を片手で操作できる真空バランサー「ジャンボフレックス」を刷新した。上昇と下降、それぞれの操作に対応するボタンを取り付け、アタッチメントのクイックチェンジアダプター機構も改善した。
クリーンルームで重量物搬送を支援する手動搬送装置、最大100kgまで吸着昇降
シュマルツは、クリーンルームでの重量物搬送を支援する手動搬送ソリューションを発表した。最大100kgまでのワークの吸着と昇降ができる真空バランサーと、ワークを水平移動するジブクレーンで構成される。
![(左)真空発生器一体型「FA-X」、(右)真空発生器外付け型「FA-M」[クリックで拡大] 出所:Schmalz](https://image.itmedia.co.jp/mn/articles/2512/03/mn_fanews_25112705a.jpg)

