製造業向けAIエージェントに、専門業務を自動化する2つの新機能を追加:製造ITニュース
ストックマークは、製造業向けAIエージェント「Aconnect」に、専門業務を自動化する2つの新機能を追加した。現場での情報収集からアウトプットの生成までをAIが自動化するため、技術者は本来の業務に集中できる。
ストックマークは2025年10月30日、製造業向けAI(人工知能)エージェント「Aconnect」に、専門業務を自動化する新機能「技術探索エージェント」「特許調査エージェント」を搭載したと発表した。
製造業では、競合技術や市場動向、特許、関連論文などの調査に多大な工数が必要で、試作や開発など本来の業務の遂行を妨げていた。また、調査がベテラン技術者の経験に依存しがちで、スキルの標準化が進まないことが課題となっていた。
2つの新機能により、研究開発現場での情報収集から実務で利用できるアウトプットの生成までをAIが自動化する。これにより、技術者は本来注力すべき創造的業務に集中できる。
技術探索エージェントは、AIが論文やニュースから課題解決につながる事項を抽出し、ロジックツリー型UIで提示。解決策を網羅的に確認できるため、初期調査を効率良く進められる。
特許調査エージェントは、入力した技術情報を基にAIが構成要素を自動抽出し、関連特許との一致度を根拠付きで評価する機能だ。調査すべき特許を直感的に把握できる。
これらの機能を導入することで、網羅的な調査が可能になるほか、数日から数週間かかっていた調査作業が短縮し、開発サイクルを高速化できる。ベテラン技術者への依存緩和なども期待される。
新機能を試験導入したIHIプラントからは、確認作業の自動化により高精度かつ網羅的に特許関連の調査を実施できた、業務負荷の分散が実感できたとの評価が寄せられた。
ストックマークは今後、Aconnectを製品の開発から市場投入まで技術者と伴走する開発支援プラットフォームへと進化させるべく、機能を拡張していく。
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