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超イオン伝導性電解液技術を活用した高出力リチウムイオン電池発売:材料技術
旭化成は、超イオン伝導性電解液技術に関するライセンス契約を、ドイツの電池メーカーEAS Batteriesと締結した。同技術を採用したEASの超高出力リチウムイオン電池が、2026年3月に販売開始予定だ。
旭化成は2025年11月4日、同社が開発した超イオン伝導性電解液技術に関するライセンス契約を、ドイツの電池メーカーEAS Batteries(EAS)と締結したと発表した。同技術を採用したEASの超高出力リチウムイオン電池が、2026年3月に販売開始される予定だ
両社は、ドイツ連邦教育研究省の「HEADLINE」プロジェクトの支援を受け、次世代電池の開発に取り組んでいる。両社の技術を融合させて開発した22Ahのリチウムイオン電池は、同容量の従来製品比で約1.6倍の出力を達成している。
旭化成が長年の知見と技術を生かして開発した電解液は、高いイオン電導性により、電池内部の抵抗を低減できる。加速時や重機の立ち上げ時など、瞬間的に大電力を要する場面でも、安定して高い出力を発揮する。
同リチウムイオン電池は、リン酸鉄(LFP)を正極に用いた円筒型で、優れた電池寿命を備え、長期間の使用でも性能劣化しにくい。急速充電や急速放電にも対応し、内部抵抗が低いことから電池の発熱が抑えられ、エネルギー効率が高い。
両社は、同技術を世界中の自動車メーカーや電池メーカーへサブライセンスする取り組みにも合意。今後、モビリティ分野への展開も目指す。
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