積水化学工業が経営管理基盤を全面刷新、会計領域のシステム運用を開始:製造IT導入事例
積水化学工業は、新たな基幹システムとして「SAP S/4HANA Cloud」を採用し、会計領域のシステム運用を開始した。今後、国内外約100社のグループ会社に順次展開し、会計、販売管理、購買管理を含めて基盤を統一する。
積水化学工業(積水化学)は2025年10月17日、データドリブンな経営高度化に向け、新たな基幹システムとして「SAP S/4HANA Cloud」を採用し、同年4月に会計領域のシステム運用を開始したと発表した。今後、国内外約100社のグループ会社に順次展開し、会計、販売管理、購買管理を含めて基盤を統一する。
積水化学では、長期持続的な企業価値の向上を目指し、全社デジタル変革を推進している。そのテーマの1つとしてグローバル経営刷新プロジェクトを発足し、2021年にSAPを導入するプロジェクトを開始した。
SAPのグローバルパートナーである富士通は、オリジナルの導入方法論「富士通版Activate」を用いて、SAP S/4HANA Cloudや「SAP Business Technology Platform」など複数ソリューションの導入を支援した。また、富士通のジャパン・グローバルゲートウェイ(JGG)やグローバルデリバリーセンター(GDC)のインド開発拠点を活用。システム構築を迅速に実行する体制で基幹システムの刷新を進め、プロジェクト完了まで全面的に支援する。
SAPジャパンは、最適なソリューションの提供を通じて、積水化学が財務や非財務データを統合的に活用し、持続的な企業価値創造を実現できる環境づくりを支援する。積水化学グループでは、蓄積データを活用した経営の高度化と新たな価値創出を支えるデータドリブン経営の確立を目指す。
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