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ミズノが考える未来のモビリティは靴と自転車の間に CFRP板バネフットギアを提案Japan Mobility Show 2025

ミズノは、「Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー) 2025」において、“ミズノが考える未来のモビリティ”を具現化したCFRP板バネフットギアのコンセプトモデル「MOBILARIA β」を初公開した。

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 ミズノは、「Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー) 2025」(プレスデー:2025年10月29〜30日、一般公開日:同年10月31日〜11月9日、東京ビッグサイト)内の「Tokyo Future Tour 2035」において、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)板バネフットギアのコンセプトモデル「MOBILARIA β(モビラリア ベータ)」を初公開した。

ミズノのCFRP板バネフットギアコンセプトモデル「MOBILARIA β」
ミズノのCFRP板バネフットギアコンセプトモデル「MOBILARIA β」[クリックで拡大]

より楽に、楽しみながら移動できる未来のモビリティとして提案

 MOBILARIA βは、同社 グローバル研究開発部が提案する“ミズノが考える未来のモビリティ”を具現化したモデルだ。「履物」を「移動手段(モビリティ)」の一つと捉え、人間の身体を使って、より楽に、楽しみながら移動できる未来のモビリティとして提案する。“MOBILARIA”という名称は「Mobility(モビリティ)」と、ギリシャ神話に登場する翼付きのサンダル「Talaria(タラリア)」を掛け合わせた造語だという。

「われわれは、MOBILARIA βをシューズと自転車の中間に位置付けられるモビリティとして考えている。CFRP板バネが走行時の筋肉の負荷を軽減してくれるのが最大の特長で、これまでの実験から20〜30%程度の負荷軽減が得られることが分かっている」(同社説明員)

 MOBILARIA βのブレード部のCFRP板バネは、同社が競技用義足向けの板バネ開発で培ってきたカーボン技術が生かされている。接地時にCFRP板バネがたわみ、バネ特性に合わせた下肢動作を行うことで、効率的な走行が可能になるという。

シューズ部の靴底と接地面に施された2枚のカーボンプレートで構成されるCFRP板バネ
シューズ部の靴底と接地面に施された2枚のカーボンプレートで構成されるCFRP板バネ[クリックで拡大]

 一方、アッパー部(シューズ部分)は、陸上競技用スパイクから着想を得た構造を採用しており、踵部分と連動するシューレース機構によりしっかりとしたホールド感を実現している。これにより、MOBILARIA βと脚に一体感が生まれ、効率的にCFRP板バネの性能を引き出すことができる。

 デザインは、カーデザイナーの山本卓身氏との共創により実現し、モビリティのデザインエッセンスが取り入れられている。

動画 展示ブースでは試着体験もできた[クリックで再生]

 CFRP板バネフットギアの研究開発は、2022年11月に稼働を開始した同社のイノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」で進められている。同施設内で行われたCFRP板バネ型(CFRP板バネを作るための型)の製作では3Dプリンタが用いられ、試作工期を約93%(通常約28日が2日に)短縮し、一般的な金属型と比べた試作コストも樹脂型の採用により、約8分の1に抑えることができたという。

 今後の展望について、同社説明員は「今回はコンセプトモデルを通じた価値提案という段階だが、来場者の皆さんからのフィードバックを基に、さらなる改良とパートナーシップの構築を進め、将来的には社会実装を目指していきたい」と述べている。

 展示ブースでは、MOBILARIA βの試着体験が可能な他、CFRP板バネフットギアの“究極形”をイメージした上位コンセプト「MOBILARIA α」も併せて展示されていた。

CFRP板バネフットギアの“究極形”をイメージした上位コンセプト「MOBILARIA α」
CFRP板バネフットギアの“究極形”をイメージした上位コンセプト「MOBILARIA α」[クリックで拡大]

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