スピーカーの原理を応用して振動をエネルギーに変える環境発電に成功:脱炭素
JVCケンウッド・公共産業システムは、京都大学、建設技術研究所と共同で、スピーカーの原理の応用により振動を電気エネルギーに変換する環境発電に関して、橋梁における実証実験での発電に成功した。
JVCケンウッド・公共産業システムは2025年9月25日、京都大学と建設技術研究所と共同で、スピーカーの原理を応用した振動発電技術の実証実験に成功したと発表した。
今回の実証実験では、橋梁を自動車が通った際に発生する振動を使ってエネルギーハーベスト技術による発電が可能であることを示した。エネルギーハーベストにより数十Vの電圧を得たことで、これまでの技術では難しかった低周波領域での振動発電が可能であることを実証した。
JVCケンウッド・公共産業システムは2024年4月から京都大学と共同で、日々振動が発生し、予防保全効果が高い橋梁での実用化を進め、同社のダイナミック型スピーカーの音響技術原理を応用した低周波振動によるエネルギーハーベスト技術の研究開発を開始した。2025年1月には建設技術研究所も参画し、現在、3者共同で同技術の開発に取り組んでいる。
日本の社会インフラは、高度経済成長期(1960〜1970年代)に整備されたものが多いため老朽化が問題となっているが、自治体の財政難や技術職員不足により、安全対策が十分ではないという課題がある。よって、設備/施設の管理手法の1つとして、センサーを使ってインフラ設備の状態を監視する技術の導入を進めている。
一方、センサーは小型、軽量で設置場所が限られており、かつ配線工事や電池交換が必要なため電力供給が課題となっている。そこで近年では、身の回りの小さなエネルギーを電力に変換し、電池や外部電源を使うことなく機器の動作を可能にする環境発電であるエネルギーハーベスト技術が注目されてきた。
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