ニュース
低価格帯のリアルタイムMCUで家電モーター制御強化:組み込み開発ニュース
Texas Instruments(TI)は、低価格帯のC2000リアルタイムマイコン「F28E120SC」「F28E120SB」を発表した。従来比30%の演算性能向上で、家電や電動工具のモーター制御を強化する。
Texas Instruments(TI)は2025年9月19日、低価格帯のC2000リアルタイムマイコン「F28E120SC」「F28E120SB」を発表した。従来品に比べ単一モーターや力率補正システムで演算性能を30%高め、洗濯機や食洗機、掃除機、電動工具など日常向け機器のモーター制御性能を向上する。
販売価格は1000ユニット単位で0.49ドル(約73円)から提供。19ドル(約2810円)の評価基板やレファレンスデザイン、ソフトウェア開発キットなど開発支援も用意する。
同製品は同社独自のInstaSPINフィールドオリエンテッドコントロール(FOC)ソフトウェアと高度なアルゴリズムを搭載。高速なセンサーレスFOC、ゼロスピードでの高トルク起動、振動補償などにより、静かで効率的なモーター動作を可能にした。さらに高速A-Dコンバーターやプログラマブルゲインアンプを内蔵し、追加部品を削減して設計の簡素化とコスト低減に貢献する。
「F28E12x」シリーズは12万rpm超のモーター速度を達成でき、速度リップルを最大60%低減する振動補償も可能だ。これにより洗濯機の不均衡負荷によるノイズを抑制し、静粛性と信頼性を高める。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
1mTの低磁界を検出可能な高感度ホール効果スイッチ
Texas Instrumentsは、業界最高水準の感度を持つインプレーンホール効果スイッチ「TMAG5134」を発表した。1mTの低磁界を検出できるため、位置検出用途において従来の高コストな磁気抵抗センサーの代替となり得る。稼働時間を最大30%延長する予測型バッテリー管理技術搭載の残量計を発表
Texas Instruments(TI)は、アダプティブ型Dynamic Z-Trackテクノロジーを搭載した単一チップバッテリー残量計「BQ41Z90」「BQ41Z50」を発表した。充電状態や劣化度を誤差1%以内で計測でき、バッテリーの稼働時間を最大30%延長する。6kW超の電力パス保護が可能な電源向けPMIC、電力需要増すデータセンター向け
日本テキサスインスツルメンツ(日本TI)は、業界初の電力パス保護機能を搭載するデータセンターの電源向けパワーマネジメントIC「TPS1685」を発表した。黒コショウの粒サイズの極小マイコンを発表
Texas Instrumentsは、1.6×0.861mmサイズのWCSPを採用したマイコン「MSPM0C1104」を発表した。競合製品と比較して38%小型化しており、性能を損なうことなく基板面積を最小化できる。エッジAIで車室内の機能を進化させる、TIがCESで車載向け新製品を発表
日本テキサスインスツルメンツ(日本TI)が「CES 2025」で発表した新製品である、車室内向け60GHz帯ミリ波レーダーセンサー「AWRL6844」、車載オーディオ処理用のMCU「AM275x-Q1」とプロセッサ「AM62D-Q1」について説明した。TIがPLD市場に参入、最大40のロジック素子をノーコード設計で構成可能
日本TIは2024年10月22日、オンラインで会見を開き、新開発のPLD(プログラマブルロジックデバイス)である「TPLDファミリー」を発表した。6デバイス/8パッケージの品種をそろえており、最大40のロジック素子を構成することができる。