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黒コショウの粒サイズの極小マイコンを発表:組み込み開発ニュース
Texas Instrumentsは、1.6×0.861mmサイズのWCSPを採用したマイコン「MSPM0C1104」を発表した。競合製品と比較して38%小型化しており、性能を損なうことなく基板面積を最小化できる。
Texas Instruments(TI)は2025年3月18日、1.38mm2サイズのWCSP(ウエハーチップスケールパッケージ)を採用したマイコン「MSPM0C1104」を発表した。世界最小クラスのマイコンで、1000個購入時の単価は0.2ドル(約30円)となる。
MSPM0C1104は、1.6×0.861mmと黒コショウの粒ほどの大きさで、競合製品と比較して38%の小型化を達成。性能を損なうことなく基板面積を最小化できるため、医療用ウェアラブルデバイスやパーソナルエレクトロニクス製品などに適している。
動作周波数24MHzの「Arm Cortex-M0+」アーキテクチャを採用するほか、16KBのメモリ、3チャンネルの12ビットA-Dコンバーター、6つの汎用入出力ピンを備える。UART、SPI、I2Cなどの標準的な通信インタフェースとは互換性を有している。
極小マイコンに高精度かつ高速のアナログコンポーネントを統合しており、エンジニアは基板サイズを拡大せずに組み込みシステムのコンピューティング性能を維持できる。より柔軟な設計や開発時間の短縮、コスト削減に寄与する。
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