あらゆる素材をタッチパネルに変える、JDIがCEATEC2025でセンシング技術を公開:CEATEC 2025
ジャパンディスプレイ(JDI)は「CEATEC 2025」において、さまざまな素材をタッチパネルやスイッチに変えるインタフェース「ZINNSIA(ジンシア)」を公開する。木材や布、石、ファーなどの絶縁体素材の裏面に貼ることでセンシングが可能になる。
ジャパンディスプレイ(JDI)は、「CEATEC 2025」(2024年10月14〜17日、幕張メッセ)において、さまざまな素材をタッチパネルやスイッチに変えるインタフェース「ZINNSIA(ジンシア)」を披露する。同技術は「CEATEC AWARD 2025」においてイノベーション部門賞を受賞しており、同年10月7日に行われた開催概要説明会で製品の一部を先行出展した。
ZINNSIAとは、木材や石、布、プラスチック、レザーなど絶縁体素材を介してセンシングを可能にするインタフェースである。従来のタッチパネルがスマートフォンやタブレット端末などのディスプレイ上での操作を前提としているのに対し、ZINNSIAは素材の裏面にシート状の回路基板を貼るだけで、日常にある多様な物体をタッチパネルへと変えることができる。
シート状の回路基板は折り曲げることもできる。ファーや人工芝などの軟らかい材料ではX/Y/Z軸で検知が可能なため、「なでる」「さわる」「つつく」といった指の微細な動きの違いも検知する。一方、木や石など硬い材料は、材料の表面に沿ったX/Y軸での動きの検知が可能だ。
応用例としては、床の裏面に設置して足で踏むことで照明を操作する仕組みや、紙をタッチパネル化することでの教育現場や施設での使用、「触れると喋る植物」など、さまざまな分野への展開が期待されている。
「センサーはスマートフォンのタッチパネルと同じ静電容量方式を採用しているが、感度を極限まで高めることで物体を介した検出を可能にしている」(ジャパンディスプレイの説明員)という。
現在はゲームのスイッチなど、アミューズメント分野での活用を中心に展開している。
CEATEC2025では、遊技機の仕様に適したデモ機や、ZINNSIAを使ったケーブルセンサーをフィギュアの中に入れることで、手が触れた場所が分かる新タイプの展示を予定している。展示は2ホール202の同社ブースにて行われる。
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