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高解像度サーマルイメージングセンサーの開発と製造でパートナーシップ合意:組み込み開発ニュース
ジャパンディスプレイとObsidian Sensorsは、高解像度サーマルイメージングセンサーの共同開発と製造におけるパートナーシップに合意した。12μmピッチの高解像度を目指す。
ジャパンディスプレイ(JDI)は2024年12月12日、Obsidian Sensors(Obsidian)との間で、高解像度サーマルイメージングセンサーの共同開発および製造におけるパートナーシップ合意を発表した。
JDIは、高精細TFT(薄膜トランジスタ)ガラス基板製造で培った微細加工技術、知的財産、生産設備を持つ。今回、Obsidianの革新的な設計、製造技術、知的財産であるLAMP(Large Area MEMS Platform)を活用し、従来は20数μmが限界のサーマルイメージングセンサーの解像度を12μmピッチにまで高め、対象物の特定精度向上を目指す。
JDIは、石川工場(第4、5世代)で開発および製造を行う。2026年までにSXGA(1280×1024)、12μmピッチのサーマルイメージングセンサー用高解像度ガラス基板を開発する予定だ。
サーマルイメージングセンサーは、一般のカメラのように光を検出するのではなく、物体から放射または反射される赤外線エネルギーを検出する。そのため、これを用いたカメラは、撮影困難な暗い場所や強い逆光下でも撮影できる。セキュリティや工業分野、車載カメラ、防衛産業などでの需要が増え、より高解像度の映像化が求められている。
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