生成AI活用の5業種調査、業界別活用は製造業が24.6%でトップ:キャリアニュース
アルダグラムは、建設業、製造業、卸売業および小売業、運輸業、不動産業を対象とした生成AIの活用調査結果を発表した。どの業界も生成AIの認知度は90%前後と高かったが、業務活用率は25%未満にとどまった。
アルダグラムは2025年8月29日、建設業、製造業、卸売業および小売業、運輸業、不動産業を対象とした生成AI(人工知能)の活用調査結果を発表した。
同調査は全国の20〜60代の男女計2500人(各業界500人)を対象としたもので、同年6月15日から17日にかけてオンラインで実施した。
5業界の生成AIの認知度を調べたところ、いずれも90%前後に達した。一方で、業務での活用率は25%未満と低水準にとどまっている。業界別の活用率は製造業が24.6%で最も高く、次いで卸売業および小売業が24.3%、不動産業が24.0%となっている。これに対し、建設業は18.7%、運輸業は12.7%と2割を下回った。業界間での格差が浮き彫りになっている。
また、生成AIを業務で活用している人のうち、85%以上が業務効率の向上を実感。特に製造業では91.8%が効果を感じたと回答した。そのうち「とても効果を実感した」が43.6%を占めており、他業界と比べて肯定的な評価が多く見られた。
生成AIを導入しない理由は「必要性を感じない」が最多
生成AIを導入していない理由として最も多かったのは「業務上の必要性を感じないため」で、5業界平均は39.3%となった。特に運輸業では46.7%と平均を大きく上回っている。技術やコスト以前に生成AIに対する「意識の壁」が導入を阻んでいる実態が明らかになった。
今後の活用意向については、「積極的に活用したい」「機会があれば活用を検討したい」「会社の方針や制度次第で検討する可能性がある」と回答した人の合計が、5業界全てで50%を超えた。潜在的な需要の高さがうかがえる。
今回の調査では、生成AIの効果を実感している層と、必要性を感じないとする層との間に大きな意識の乖離が存在することが浮かび上がった。同社は、業界横断で生成AI導入の成功事例を共有し、現場での有用性を具体的に示すことが、業界全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)促進に寄与するとしている。
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