パナソニック「ノモの国」は万博閉幕後もパビリオンの99%以上を再生利用へ:リサイクルニュース(2/2 ページ)
パナソニック ホールディングスは「2025年大阪・関西万博」終了後、パナソニックグループのパビリオン「ノモの国」の建築部材について、99%以上のリユース/リサイクルおよび廃棄率1%未満を目指すと発表した。
横浜開催「国際園芸博覧会」でのリユースも
ノモの国の外観やライトアップ演出に使用していたファサードフレームや照明(40台)、スピーカー(12台)については、東邦レオおよびノモの国のデザインを担当した永山祐子建築設計と協業し、2027年に横浜で開催予定の「国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)」の「Urban GX Village」エリア内で出展する「東邦レオ STUDIO(仮称)」でリユースする。小川氏は「『自然との共生を新たな明日の風景として可視化していく』ということを目指すGREEN×EXPO 2027と、パナソニックグループの使命やノモの国のコンセプトと親和性が高いこともあり、万博のレガシーの1つとしてリユースすることを決めた。この取り組みは単なるモノの継承だけでなく、ノモの国パビリオンに込めた思いも含めて継承していく」と述べる。
ファサードフレームに使用している軽くて薄い膜状の布地であるオーガンジーは、金属のスパッタリング加工によって光沢や機能性を持たせている。これをノモの国の共創パートナーである上田安子服飾専門学校に提供し、上田学園が年に一度開催するファッションイベント「第156回 上田学園コレクション2026(2026年1月開催)」の服飾材料として活用する。また、大阪万博内の施設で展示/使用していたタンクレストイレ「アラウーノ」は、京都大学に移設を予定している。
建物以外のリサイクル/リユースの取り組みとしては、ノモの国の第1エリアで展示している「バイオセンサリードーム」の一部を2025年度完成予定のパナソニックHD技術部門「西門真新棟」に移設し、来訪者向けの展示として活用する。また、スタッフが着用しているノモの国ユニフォームについては、パビリオンの計画段階からリサイクルを想定しており、当初の予定通りにユニフォーム製作会社のチクマが回収する。
小川氏は「多様な協力会社との連携によって、建築物における99%以上のリユース/リサイクル率と廃棄率1%未満の実現が見えてきた。こうした取り組みを積み重ねながら、パナソニックグループとして持続可能な未来社会に貢献していく。また、こうした取り組みは、万博閉幕後も次世代へとつながる新たなスタンダードとなる価値ある取り組みである」と今後の展望を述べた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
廃プリント基板の資源循環スキームで、パナソニックと三菱マテリアルが組む理由
パナソニックETソリューションズ 企画担当 CEエキスパートの田島章男氏と三菱マテリアル 金属事業カンパニー 資源循環事業部 事業開発部 企画室 室長の古賀沙織氏に、金属資源循環スキーム「PMPループ」の構築背景や概要と特徴、効果、採用事例、今後の展開について聞いた。【訂正あり】日本各地の名所を眺めながら散歩できる運動ソリューションを万博で展示
パナソニック エンターテインメント&コミュニケーションは、高齢者の運動の習慣化とコミュニケーション促進に役立つソリューション「テレさんぽ」を、大阪・関西万博に期間限定で出展する。構造改革の中、パナソニックHDがR&Dで注力する領域と凍結する領域の考え方
パナソニック ホールディングス グループCTOである小川立夫氏が報道陣の合同取材に応じ、研究開発(R&D)領域における2024年度の成果を紹介するとともに、構造改革を踏まえた技術開発部門としての考え方を説明した。大阪・関西万博の体験型パビリオンは競争率が高過ぎてビビる
全体の想定来場者数が2820万人に対して、体験型パビリオンであるパナソニックグループの「ノモの国」の来場者見込みは45万人。全体の1.6%しか体験できないという高い競争倍率なんですわ……。45万人だけが参加できる万博のパナソニックパビリオン、半年かけた実証実験も
パナソニック ホールディングスは、「2025年大阪・関西万博」におけるパナソニックグループのパビリオン「ノモの国」の展示内容について説明した。微生物が照明に? パナソニックHDが大阪万博で示す将来技術
パナソニック ホールディングスは、大阪・関西万博のパナソニックグループパビリオンで、将来を見据えた環境配慮型の技術として「バイオライト(発光微生物)」を出展する。