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SIM1枚で国内2キャリアを使い分け、IoTの冗長化とコスト最適化を両立:製造業IoT
インターネットイニシアティブは、1枚のSIMでNTTドコモとKDDIの両ネットワークを直接使い分けられる「マルチプロファイルSIM2.0」を開発した。キャリア冗長に加え、通信コスト膨張も抑えられる。
インターネットイニシアティブ(IIJ)は2025年8月28日、1枚のSIMでNTTドコモとKDDIの両ネットワークを直接使い分けられる「マルチプロファイルSIM2.0」を開発したと発表した。SIM1枚で国内2キャリアのプロファイルを任意切り替えで利用する技術は、特許出願中という。
同製品は、通信障害時のキャリア冗長に加え、エリアの電波状況や回線輻輳(ふくそう)に応じたプロファイル切り替えにより、IoT(モノのインターネット)デバイスの可用性を高めつつ通信コスト膨張も抑えられる。
従来のマルチプロファイルSIMは、片系がローミング経由となるケースが多く、大容量通信時の料金が導入のハードルになっていた。今回の新方式は、両系とも国内キャリアへ直接接続するため、どちらを選択してもコスト最適化が可能。施設や地域ごとに適したキャリアを切り替えプログラムで自動選択でき、単一スロット端末でもハード再設計なしで冗長構成を組める。
同社は既にPoC(概念実証)で回線冗長の動作確認を完了しており、同年度中の商用提供開始を予定している。要望の多い閉域接続への対応も検討中で、高信頼が求められる電子決済や社会インフラなどの用途から、広域に展開する移動体IoTまで活用シーンの拡大を見込む。
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