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なめると苦い、パナソニック エナジーが誤飲対策のコイン形リチウム電池を開発:材料技術
「コイン形リチウム電池は苦いもの」という新常識が生まれるかもしれない。パナソニック エナジーは、乳幼児がコイン形リチウム電池を誤飲する事故を減らすため、電池本体に苦味成分を塗布した製品を開発した。
パナソニック エナジーは2025年8月29日、乳幼児がコイン形リチウム電池を誤飲する事故のリスクを低減するため、電池本体の負極面に苦み成分である安息香酸デナトニウムを塗布したコイン形リチウム電池を開発したと発表した。同社の調べによれば、誤飲対策として電池本体に苦み成分を塗布したコイン形リチウム電池は国内初だ。
この電池は電解液と設計の改良により、保存可能期間を従来の5年から10年(製造後の保存期間、保存条件温度:20℃、相対湿度:55%)に延長している。
同電池は「CR2032E」「CR2025E」「CR2016E」の3品種4品番として、コイン形リチウム電池のラインアップに追加され、2025年10月10日に発売される。これらの電池は、乳幼児を対象とした検証を通じて、誤飲を抑制するために効果的とされる苦み成分の最適な塗布量を確認した上で設計されている。加えて、ハサミを使わないと開封できない独自の誤飲対策パッケージを採用している。
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