長い通路を抜けると、そこはFCNTの地下実験室だった:イノベーションのレシピ(5/5 ページ)
FCNTは、新型スマートフォン「arrows Alpha」の販売開始に合わせ、報道陣向けに「中央林間 地下実験室ツアー」を開催。ジャパンクオリティーを支えるさまざまな評価試験の現場を初公開した。
アンテナ性能の評価
また、そのすぐ近くには、外部電波を完全に遮断し、内壁に吸収体(トゲ状の形状)が施された電波暗室が設置されていた。ここではアンテナ性能の評価を行う。スマートフォン(ツアーではarrows Alpha)とアンテナを3m離して配置し、ターンテーブルに載せたスマートフォンを回転させながら電波の強さを測定する。測定結果は、放射パターンとしてグラフ化され、方向ごとの電波強度を視覚的に確認できる。
おまけ:「arrows Alpha」の超急速充電もアピール
実は、冒頭の音響性能試験の前に、NTTドコモから販売される「arrows Alpha F-51F」(以下、arrows Alpha)と、既に販売されている「arrows We F-51B」(以下、arrows We)で、充電速度の違いを確認するデモも行われていた。
ツアーのスタート時点のバッテリー残量は、arrows Alphaが3%、arrows Weが1%であった。充電器は、arrows Alphaには同梱の最大90W対応ACアダプターを、arrows WeにはNTTドコモが販売する最大45W対応ACアダプター「ACアダプタ08」を使用した。
その結果、最初の音響性能試験の見学が終わるころ(見学開始から15分後くらい)には、arrows Weが25%だったのに対し、arrows Alphaは71%まで充電されていることを確認できた。

写真右が「arrows Alpha F-51F」で左が「arrows We F-51B」。arrows Alphaは、バッテリー残量1%から100%まで約35分で急速充電できるという[クリックで拡大]
今回の地下実験室ツアーは、FCNTが満を持して市場投入するarrows Alphaの魅力を、堅牢性や耐久性などの側面から紹介するものであり、同社が長年培ってきたジャパンクオリティーのモノづくりを体感できる非常に興味深い内容であった。レノボ傘下となったとはいえ、日本らしい丁寧なモノづくりの姿勢は健在であり、その信頼性を裏付ける試験の数々は、製品への安心感を高めるものとなっていた。
































Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「G-SHOCK」新モデル開発で直面したLCD破損の危機、解決のカギは円ではなく点
カシオ計算機は耐衝撃ウォッチ「G-SHOCK」の“2100シリーズ”の新モデル開発において、LCD破損を防ぐ新たなモジュール固定方法「3点支持構造」をCAEの活用によって導き出した。カタログに載せ切れない「TOUGHBOOK」の頑丈性を支える秘密
パナソニック コネクトは、過酷な環境での長期使用に耐え得る頑丈さを備えた業務端末「TOUGHBOOK(タフブック)シリーズ」の頑丈設計に関する勉強会を開催。カタログでは書き切れない“頑丈性の秘密”について披露した。「ThinkPad」開発で実践するサステナブルなモノづくり
レノボ 大和研究所が推進する「ThinkPad」開発における環境負荷低減、サステナビリティの実現に向けた取り組みを紹介する。G-SHOCK 40周年モデルはパッケージもとことんエコ、カシオの環境配慮への取り組み
2023年で誕生から40周年を迎えたカシオ計算機の耐衝撃ウォッチ「G-SHOCK」シリーズの40周年モデルに採用された“エコパッケージ”の取り組みについて、同社 羽村技術センター 開発本部 開発推進統轄部 第一開発推進部 11開発推進室の工藤之欣氏に話を聞いた。「らくらくスマートフォン」の最新機種が日本初のエコマーク認定スマホに
FCNTは2025年1月30日に発売する「らくらくスマートフォン F-53E」が、国内で販売されるスマートフォン/携帯電話で初めてエコマーク商品として認定されたことを発表した。「iPhone 16」はどれだけ地球に優しくなった?
Appleが発表した新製品ラインアップ「iPhone 16 Pro/iPhone 16シリーズ」と「Apple Watch Series 10」について、“環境に配慮したAppleのモノづくり”の観点で注目してみた。