ニュース
住友ゴム工業とNEC、研究開発基盤構築と新規事業創出で戦略的提携:製造マネジメントニュース
NECと住友ゴム工業は、世界で競争力のある研究開発基盤の構築と新規事業創出に向けた戦略的パートナーシップを締結した。両社の先端技術と知財を掛け合わせ、持続可能なイノベーションを目指す。
NECと住友ゴム工業(以下、住友ゴム)は2025年7月14日、研究開発基盤の構築と新たな事業機会の創出に向けた戦略的パートナーシップに関する覚書を締結したと発表した。グローバル競争の激化や労働人口の減少といった社会課題への対応を見据えた取り組みとなる。
両社は、2022年にタイヤ開発での技能伝承を目的にAI(人工知能)を活用した共創を行っており、今回の提携はその延長線上にある。2026年には、先行テーマの実証と成果の創出を目指す。
協業の柱は2つ。1つ目は、NECの先端技術や研究者の知見、住友ゴムの製造技術を組み合わせた競争力ある研究開発基盤の構築。マテリアルズ・インフォマティクスなどの先端ICTを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、研究開発の高度化と人材の役割変革を図る。
2つ目は、両社の技術と知財を生かした新規事業の創出だ。住友ゴムの高機能ゴム技術をNECの事業領域に応用するほか、NECのAI技術を住友ゴムの新事業に活用する構想がある。社会インフラ、宇宙、防衛、ヘルスケア分野など多様な産業への展開も視野に入れる。
住友ゴムは長期戦略「R.I.S.E. 2035」に基づき、体験価値の創出を目指す中で今回の協業を位置付けており、NECはオープンイノベーションによる共創の一環として取り組む。両社は今後、協業の実用化と社会価値の創出を加速させていく方針だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
交渉人AIが取引条件生成から交渉/合意まで自動化、対AIも交渉可能
NECは「第37回 ものづくり ワールド[東京]」の構成展の1つ「設計・製造ソリューション展」において、AIエージェントや生成AIなどを取り入れた、業務改革に向けた最新ソリューションを紹介した。住友ゴムとNECがタイヤ開発における匠のノウハウのAI化、思考の見える化で協業
住友ゴム工業とNECは、両社の協業により実現した「タイヤ開発における匠のノウハウのAI化」に関する記者説明会をオンラインで開催した。体系化が困難な官能評価の解釈および改良案の提示をAIによって実現する仕組みを確立するとともに、人材の教育/育成、ノウハウ伝承に役立てる。住友ゴムの長期経営戦略 路面にタイヤが適応し変化する次世代スイッチを開発
住友ゴム工業は2025〜2035年を対象とした長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」を策定した。住友ゴムの白河工場が目指す水素の地産地消モデルとは
住友ゴム工業は、福島県白河市の白河工場で、水素エネルギーを活用したタイヤ製造に成功した他、水素の地産地消モデルの構築を進めている。光電融合やカーボンリサイクルなど将来技術で市場を切り開く三菱電機の研究戦略
三菱電機は、研究開発戦略について発表。中心となるコンポーネントでの技術力を基軸としつつ、AIや自律制御などのデジタル技術を組み合わせることで新たな価値創出に取り組む。また、将来に向けた「フォアサイトテクノロジー」として「光電融合技術」「カーボンリサイクル技術」「量子技術」を強化する。デジタルツインを横展開して差別化に、NECが見据えるDXでの勝ち筋
NECは、DX事業についての説明会を開催し、共通基盤である「NEC Digital Platform(NDP)」を軸にAI技術などを組み合わせたデジタルツインの実現で差別化を進めていく方針を示した。