2nmプロセスGAAトランジスタの試作ウエハーで動作を確認:組み込み開発ニュース
Rapidusは、北海道千歳市にある最先端ファウンドリ「IIM-1」で、2nm GAAトランジスタの試作ウエハーで動作を確認したと発表した。これは、同社が掲げる2027年の量産開始に向けた重要なマイルストーンとなる。
Rapidusは2025年7月18日、北海道千歳市にある最先端ファウンドリ「IIM-1」で、2nm GAA(ゲートオールアラウンド)トランジスタの試作ウエハーで動作を確認したと発表した。これは、同社が掲げる2027年の量産開始に向けた重要なマイルストーンとなる。
2023年9月に着工したIIM-1は、2024年12月にクリーンルームが完成し、世界中から最先端の半導体製造装置を集めた。2025年4月には、2nmプロセスのリソグラフィ工程において、EUV(極端紫外線)露光装置を用いたパターンの露光、現像に成功している。
製造工程の全てに枚葉プロセスを導入しており、新しい半導体ファウンドリーサービス「RUMS(Rapid and Unified Manufacturing Service)」の構築を進めている。2025年6月までに、新しい搬送システムによって200台以上の枚葉式半導体製造装置を接続し、2nm GAAトランジスタの試作を開始して動作を確認した。
また、2nmプロセスに対応したPDK(Process Design Kit)の開発も進め、2025年度中にリリースする。これにより、顧客によるプロトタイピングが開始できる環境を整える。
同社は設立から3年未満での設備整備と技術開発の達成に加え、今回の試作成功でIIM-1の目標達成をさらに前進させた。2027年の量産に向けた体制整備の進展を示す今回の成果は、今後の工程開発や商用化に向けた大きな一歩となる。
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