ニュース
イーソルが京都マイクロコンピュータを買収、フルスタックエンジニアリングを強化:組み込み開発ニュース
イーソルは、京都マイクロコンピュータを傘下に置くKMCホールディングスを100%子会社にすると発表した。
イーソルは2025年8月8日、同日開催の取締役会で、簡易株式交付により京都マイクロコンピュータを傘下に置くKMCホールディングスを100%子会社にすることを決議したと発表した。同年10月1日付で、KMCホールディングスと傘下の京都マイクロコンピュータ、KMGの3社はイーソルのグループ企業となる。
1985年創業の京都マイクロコンピュータはJTAG専用デバッガの「PARTNER Jetシリーズ」などで知られる国内組み込みツールベンダーだ。近年はリアルタイムOS(RTOS)一体型ソフトウェア開発プラットフォーム「SOLID」を展開しており、SOLIDの展開を担うため2016年に設立したKMGとともにKMCホールディングスを形成していた。
イーソルは、京都マイクロコンピュータの製品や高いデバッガ技術/コンパイラ技術を取り込むことで、ソフトウェアシステムの基盤層であるOSからミドルウェア、プラットフォーム、アプリケーションそしてツールとプロセスまでの全ての階層を統合してエンジニアリングを行う「フルスタックエンジニアリング」をさらに強化できる。また、両社が持つOSやSDK(ソフトウェア開発キット)を統合することでコスト最適化とビジネス基盤および事業領域の拡大を進め、企業価値向上も図るとしている。
なお、イーソルによる買収後も、京都マイクロコンピュータなど3社は法人としてそのまま事業を継続する。製品やサービスの終了などは現時点では予定していないという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
モノづくりソフトウェアでデジタル赤字を反転へ、「New SDV」が勝ち筋に
イーソルのユーザーイベント「eSOL Technology Forum 2025」の基調講演に同社 代表取締役社長CEO兼CTOの権藤正樹氏が登壇。本稿では、同講演で権藤氏が語った、日本のモノづくりを担う製造業と関わりの深い組み込みソフトウェアが果たすべき役割や、SDVへの取り組みが進む自動車市場における日本の勝ち筋などについて紹介する。イーソルの新社長に権藤正樹氏、ソフトウェア事業を技術と経営の両輪でけん引
イーソルは、専務取締役CTOの権藤正樹氏が2025年3月28日付で代表取締役社長CEO兼CTOに就任すると発表した。イーソルがDVE+UモデルのSDVプラットフォームを提案、デモ開発はデンソーが協力
イーソルは、プライべートイベント「eSOL Technology Forum 2024」において、DVE+Uモデルに基づくSDVプラットフォームのデモンストレーションを披露した。10年越しでJTAGデバッガの新製品を発売、Rustのデバッグにも対応
京都マイクロコンピュータは、JTAGデバッガ「PARTNER-Jet3」を発売した。最先端のデバッグテクノロジーを搭載し、CPUコアや半導体ベンダにも縛られず、さまざまなシステム開発で利用できる。京都マイクロの「SOLID」がRISC-Vに対応、TOPPERSベースの64ビットRTOSを採用
京都マイクロコンピュータが、「EdgeTech+ 2024」において、ソフトウェア開発プラットフォーム「SOLID ver.4.0」を披露。これまでのSOLIDはArmの「Cortex-Aシリーズ」向けだったが、新たにRISC-Vに対応したことを特徴とする。RISC-V向けエッジコンピューティングの包括的なソフトウェア開発環境
イーソルは、エヌエスアイテクス、京都マイクロコンピュータ、OTSLと共同で、次世代プロセッサIP「RISC-V」向けの包括的なソフトウェア開発環境を開発した。