イーソルがDVE+UモデルのSDVプラットフォームを提案、デモ開発はデンソーが協力:車載ソフトウェア
イーソルは、プライべートイベント「eSOL Technology Forum 2024」において、DVE+Uモデルに基づくSDVプラットフォームのデモンストレーションを披露した。
イーソルは、プライべートイベント「eSOL Technology Forum 2024」(2024年9月27日、東京コンファレンスセンター・品川)において、DVE+Uモデルに基づくSDV(ソフトウェアデファインドビークル)プラットフォームのデモンストレーションを披露した。
DVE+Uモデルとは、ドライバー(Driver)、自車両(Vehicle)、周辺環境(Environment)といったドメインに加えて、各ドメインを横断するようなユーティリティー機能(Utility)によって、車両や車両内外の要素を抽象化するのに最適なドメインモデルである。各ドメインは複数のサービスで構成されている。
現行の自動車開発では、車載システムやECU(電子制御ユニット)などのハードウェアとそれらに組み込むソフトウェアは強く結び付いている。これに対してSDVでは、ハードウェアとソフトウェアが互いに依存しない形で分離しつつ、APIによってつなげることが求められている。
イーソルのSDVプラットフォームは、車両の構成や装備を抽象化でき、車種に依存しない共通のAPIを定義可能であり、このAPIと接続するさまざまなアプリケーションの開発を短期間で進められる利点がある。
今回披露したデモンストレーションでは、自動バレーパーキング(AVP)と防犯のためのセントリーモードのアプリケーションを開発し実装している。AVPで必要となる自動運転機能やセンサー/車両のシミュレーションには、オープンソースソフトウェアであるAutowareを使用している。なお、AVPとセントリーモードの要件定義はデンソーが協力している。
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