熱問題をフロントローディングで解消 構造計画研究所の「熱設計支援サービス」:TECHNO-FRONTIER 2025
構造計画研究所は「TECHNO-FRONTIER 2025」に出展し、実測と解析を組み合わせた設計プロセスの確立を支援する「熱設計支援サービス」を紹介した。
構造計画研究所は、「TECHNO-FRONTIER 2025」(会期:2025年7月23〜25日/会場:東京ビッグサイト)の構成展の一つである「第27回 熱設計・対策技術展」に出展し、実測と解析を組み合わせた設計プロセスの確立を支援する「熱設計支援サービス」を紹介した。
同社の熱設計支援サービスは、熱による品質トラブルをフロントローディングで解消し、開発工数の削減に貢献する技術コンサルティングサービスである。例えば、設計プロセスに合わせた解析手法の確立、熱実測とシミュレーションのズレの検証と改善に向けた提案、基板放熱を考慮した部品レイアウトの最適化案の提示、発熱量の効果的な計測方法の支援などを行っている。また、顧客ごとに基礎トレーニングなども提供しており、複雑な熱問題に対応できる設計者の教育体制の立ち上げ支援も実施している。
同社ブースでは、3D CAD統合型の熱流体解析ソフトウェア「Simcenter FLOEFD」によるシミュレーション結果と、サーモカメラで実機を測定した値(実測値)を比較し、その結果を基にシミュレーション精度の向上につなげていくプロセスの一部を確認できるデモ環境を披露していた。なお、今回のデモでは分かりやすさを重視してサーモカメラを用いていたが、実際の業務では熱電対や温度計といった機器なども使用して実測値を測定しているという。
「設計の初期段階では、ざっくりとした条件を設定してシミュレーションを開始するケースも見られるが、実際の検討を進める中で、それが妥当かどうかを確認する必要がある。そのためにも、実測値と解析結果との比較を行いながら、設計上、必要十分な精度を確保していくことが重要だ。設計段階で必要十分な精度とは何かを見極め、それをどう探っていくかを支援する」(説明員)
今回のデモ環境で使用していた、Siemens Digital Industries Software(以下、シーメンス)が開発するSimcenter FLOEFDは、「NX」「CATIA V5」「Creo」「SolidEdge」などの3D CADにアドオンして利用できる。普段使い慣れた3D CAD上で直接動作し、設計と解析のプロセスをシームレスに連携させることが可能だ。また、解析を行う際の各種設定が分かりやすく、解析に不慣れな設計者でも使いやすいため、設計者CAE環境として適しているという。
「当社では、シーメンス以外の熱流体解析ソフトも複数取り扱っている。課題やニーズに応じて、最適なソリューションを提案することが可能だ」(説明員)
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