設計者が感じる「CAEは難しい」の壁をなくすシミュレーションツール開発へ:CAEニュース
名古屋大学発の学生ベンチャー企業FAIは、経済産業省のGo-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)に採択されたと発表した。商用CAEソフトウェアを複数用意せずとも最適設計が可能となる、画期的なシミュレーションツールの開発を目指す。
FAIは2025年6月30日、経済産業省の「Go-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)」に採択されたと発表した。
同社は、2024年2月に設立された名古屋大学発の学生ベンチャー企業で、「製造業を創造業へ」をビジョンに掲げている。このビジョンには、設計者がトラブル対応などに追われることなく、より創造的な業務に専念できる環境を提供したいという思いが込められており、トポロジー最適化のような設計シミュレーションによるソリューションの提供を行っている。
一般的に、シミュレーション技術は、設計感度を求める微分計算や最適化アルゴリズムなどが複雑で難しく、設計者自身がトポロジー最適化やCAEを十分に使いこなすのは容易ではない。そのため、勘や経験に頼る設計にとどまっているのが実情である。
このような状況に対し、今回採択された事業では、解析技術者が手作業で行っていた感度情報の算出を自動化することで、多様な目的関数に対して柔軟に重み付けを変更しながら最適設計を行えるシミュレーションツールの開発を目指す。この取り組みにより、高額な商用CAEソフトウェアを複数使用せずとも、効果的な設計支援が可能になるという。
同社は、同事業が実現すれば、設計品質の標準化と効率化を両立する実効性の高いソリューションとして、広く製造業へ展開可能な技術になると見込んでいる。
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