航空機燃費50%削減へ ブレンデッドウィング機開発でAltairとJetZeroが提携:CAEニュース
アルテアエンジニアリングは、ブレンデッドウィングの開発を手掛けるジェットゼロと提携し、「Altair FlightStream」などの技術支援を通じて、次世代航空機の開発加速を後押しする。
Altair Engineering(アルテアエンジニアリング/以下、アルテア)は2025年6月11日、次世代の航空宇宙分野における技術革新を推進するため、商業用ブレンデッドウィング機の開発を手掛けるJetZero(ジェットゼロ)との提携を発表した。
ブレンデッドウィング機は、胴体と翼を一体化させた構造により、従来の旅客機に比べて燃料効率の向上、長い航続距離、軽量化、空気力学的な性能向上が見込まれている。ジェットゼロは、機体設計の工夫だけで燃料消費量および排出量を最大50%削減できると見積もっている。
アルテアの設計/解析基盤をブレンデッドウィング機の開発に活用
ジェットゼロは、ブレンデッドウィング機の開発に向け、アルテアの設計/シミュレーションプラットフォーム「Altair HyperWorks」の一部である「Altair FlightStream」を導入。高度な数値流体力学(CFD)シミュレーションを実施し、設計イノベーションの促進および市場投入までの期間短縮を図っている。
アルテアによると、同ソリューションは高忠実度CFDシミュレーションとエンジニアリングの橋渡しに有用であり、空力および構造設計における概念設計や予備設計の課題を、他の解析ソルバーと比べて迅速かつ効率的に解決できるという。
Altair FlightStreamは、高速な演算性能や低いハードウェアフットプリントに加え、合理化されたユーザーインタフェースや強力な空力ソルバーを備えており、設計初期段階における反復作業や詳細研究に不可欠なツールとなっている。
なお、ジェットゼロは「Altair Aerospace Startup Acceleration Program(ASAP)」にも参加しており、機内騒音調査ソリューションを含むアルテアのシミュレーション、データ分析、AI(人工知能)ツールなど全ポートフォリオを、柔軟かつ手頃な価格で利用することが可能だ。
(※)本記事は制作段階で生成系AIを利用していますが文責は編集部に帰属します(ITmedia AI倫理ポリシー)。
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