ニュース
リコー東芝テック設立の「エトリア」が1周年、複合機共通エンジンの開発を前倒し:イノベーションのレシピ(3/3 ページ)
リコーと東芝テックが出資する、両社の複合機などの開発生産に関わる事業の統合会社であるエトリアが1周年を迎えた。エトリアが目指す「共通エンジンの開発」と「新事業領域への挑戦」、そして新たに加わるOKIとの統合について、エトリア 社長の中田克典氏が説明した。
OKIとの統合は「ロケットスタートで」
2025年2月、OKIがエトリアの枠組みに参画することを発表した。2025年10月1日をめどに、現在統合に向けた作業が進んでいるところだ。
もともとリコーとOKIはA3カラープリンタのOEM供給や、A3モノクロプリンタの共同開発などで協業を深めてきた関係にある。今回のエトリアへの合流では、OKIが持つLEDプリントヘッド技術が複合機の共通エンジン開発に加わるとともに、新事業領域であるAuto-ID市場向けでOKIが手掛けるカラーラベルプリンタとのシナジー効果創出も期待できる。中田氏は「既にOKIとの間で交流が始まっており、エトリア設立よりもさらに早いロケットスタートで事業統合できるようにしたい」と意気込む。
エトリアは現在、足元で売上高4000億円、営業利益5%の事業規模になっている。今後は2028年度を目標に、売上高5000億円、営業利益5%の達成を目指す。中田氏は「異なる企業間が連携するこのエトリアをロールモデルとして成熟した業界に革命を起こし、新しい歴史を創造していきたい」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
リコー東芝テックの“日の丸複合機構想”はTSMCになれるのか
日の丸××でうまくいった試しはないと言いますが……。リコーと東芝テックが複合機の開発生産を統合へ「QCDSEで最高の企業に育てる」
リコーと東芝テックは、両社の複合機などの開発生産に関わる事業を統合することで合意した。新会社名は「ETRIA」 リコーと東芝テックの複合機開発/生産事業統合へ
リコーは複合機などの開発や生産に関する東芝テックとの事業統合に向けて、新たに組成する合弁会社と吸収分割契約を締結することを発表した。合弁会社の名称は「ETRIA」となる。OKIがリコーと東芝テックの合弁会社に合流 LEDプリントヘッド技術で競争力強化
リコーは東芝テックと設立した合弁会社のエトリア(ETRIA)に、新たに沖電気工業(OKI)が参画すると発表した。リコーが“唯一無二”の複合機を開発、PFUのスキャナー技術を融合
リコーが新開発のA3カラー複合機「RICOH IM C6010SD」「RICOH IM C4510SD」「RICOH IM C3010SD」について説明。PFUの業務用スキャナー、リコーのA3カラー複合機というそれぞれ世界シェアトップの製品の技術を組み合わせたことを最大の特徴とする。リコーがリユース率86%の再生複合機を発売 最新の機能を使える仕組みを導入
リコーは、東京都内で記者会見を開き、2025年1月21日に発売するA3カラー再生複合機「RICOH IM C4500F CE」と「RICOH IM C3000F CE」や再生ビジネスについて紹介した。