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知的財産を活用し利益アップへ 日本弁理士会の中小企業支援知財ニュース(2/2 ページ)

日本弁理士会は知的財産を活用した中小企業支援活動について発表した。

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弁理士知財キャラバンの支援活動事例

 弁理士知財キャラバンが支援した企業の1つに、特定植物栽培企業がある。この企業は、特定の植物栽培とソーラーシェアリング、家庭栽培、農福連携といった事業を組み合わせて新たなビジネスモデルを検討している。この企業の強みとして、アイデア力やクライアント企業との連携力、新しいビジネスモデル特有の高い競争優位性があるが、ビジネスモデルが模倣されやすく、競争優勢性が損なわれるリスクが存在していている。

 この状況に対して弁理士知財キャラバンでは支援活動を実施した。ソーラーシェアリングに関しては追加で特許を出願した他、サービスの提案や家庭栽培についてはSNSを活用したPR方法のアドバイスを行った。栽培技術では、全てを特許にするのではなく、ノウハウとして保護することを提案するなど、すり合わせた課題に対して的確な提案を実施した。特許とノウハウ保護の両側面を考慮した提案と商標とブランディングによる継続的な競争優位性を構築する支援を実現した。

特定植物栽培企業の事例
特定植物栽培企業の事例[クリックで拡大] 出所:日本弁理士会

 AI(人工知能)関連技術の開発を行う大手企業の子会社にも支援を実施した。この子会社は、親会社の知的財産部の支援によって、知的財産の手続きや管理体制の構築は可能であった。一方で、研究開発テーマに関する特許調査や権利化については開発者任せになっており、親会社の知的財産部による適切な支援を受けることが難しかった。

 この状況に対して弁理士知財キャラバンでは、子会社の開発部門に、特許調査の具体的な方法と思考プロセスを指導するとともに、AI技術の特許に関する基本的な知識や発明成立性、審査基準などをレクチャーした。

大手企業の子会社の事例
大手企業の子会社の事例[クリックで拡大] 出所:日本弁理士会

 また、既に複数の知的財産を取得していて、ブランド確立と販路拡大を目指す企業に対しても弁理士知財キャラバンは支援を実施。新規事業で販路開拓を進める一環で、海外市場を狙っているこの企業は、知財の獲得経験があり、商品開発力に優れているという強みを持っている。一方で、「取得済みの知財でカバーできる範囲を把握できていない」「知財を活用したブランディング経験の少なさ」「海外販路の経験不足」という問題があった。

 この状況に対して弁理士知財キャラバンは、取得済みの知的財産の洗い出しや知的財産ポートフォリオ構築、製品開発の方向性、販路開拓に関するマーケティングなどのアドバイスを行った。結果として、信頼性の高い広告分野での認知度向上を通じて、ブランド価値を高めて販路拡大と売り上げアップに貢献した。

ブランド確立/知財活用を狙う企業の事例
ブランド確立/知財活用を狙う企業の事例[クリックで拡大] 出所:日本弁理士会

 実際に支援を受けた企業からは、「売り上げがアップした」「取得した商標が業界内で認知され浸透した」「知財を取得したことで大手企業から取引の依頼があった」など好感の声が多く寄せられた。

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