使用済み飲料用アルミ缶処理能力を15%向上 再生アルミ材生産量を年間5万トンに:リサイクルニュース
アルテミラ・ホールディングスは、グループ会社のMAアルミニウムが操業するアルミ缶リサイクルプラント(静岡県小山町)に約5億円を投資し、使用済み飲料用アルミ缶の処理能力を15%増強する。
アルテミラグループの統括会社であるアルテミラ・ホールディングスは2025年7月15日、グループ会社のMAアルミニウムが操業するアルミ缶リサイクルプラント(静岡県小山町)に約5億円を投資し、使用済み飲料用アルミ缶(Used Beverage Can、UBC)の処理能力を15%増強すると発表した。
アルテミラグループは、アルミ缶やアルミの圧延、箔、押出の専業メーカーから成る。アルミ缶の製造事業では、UBCを再生し、新たなアルミ缶を生産する水平リサイクル事業を推進している。グループ会社のアルテミラ・テクノソリューションズがUBCの回収を、MAアルミニウムが前処理、溶解、鋳造、圧延によるアルミ缶用板材の製造を、アルテミラ製缶がアルミ缶の製造を担っている。
これらの取り組みにより、アルミ缶の水平リサイクルで必要な処理をグループ内で行える。原材料比でアルテミラグループのアルミ缶製品の約4割は、MAアルミニウムが操業するアルミ缶リサイクルプラントで再生したアルミ材が使われている。アルミ缶リサイクル協会の調べによれば、UBCから再生アルミ材を製造するために必要なエネルギーは、ボーキサイトからアルミ材を製造するケースと比べて97%少ない。
今回の投資では、アルミ缶リサイクルプラントにおける焙焼炉の処理能力増強を既に実施した他、今後は解砕機の処理能力向上などを予定している。アルミ缶に印刷された塗料などを熱分解する焙焼炉は、2025年1月に行った更新で処理能力を向上した。輸送効率を高めるために圧縮されたUBCの塊を砕き、裁断片にする解砕機は、2026年2月に実施予定の更新で、処理能力を向上するとともに、現在は別工程での処理が必要な、高い圧力で圧縮されたUBCの塊をそのままでも対応できるようにする。今回の設備投資により、アルミ缶リサイクルプラントにおける再生アルミ材の生産量が年間5万トンになる予定だ。
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