スナップフィット構造の検証に適したPolyJet方式3Dプリンタ材料:ものづくり ワールド[東京]2025
丸紅情報システムズは、「第37回 ものづくり ワールド[東京]」で、Stratasys(ストラタシス)のPolyJet方式専用3Dプリンタ材料「PolyJet ToughtONE 樹脂」を披露した。
丸紅情報システムズは、「第37回 ものづくり ワールド[東京]」(会期:2025年7月9〜11日/会場:幕張メッセ)の構成展の1つである「第8回 次世代3Dプリンタ展[東京]」で、国内販売代理店を務めるStratasys(ストラタシス)のPolyJet方式専用3Dプリンタ材料「PolyJet ToughtONE 樹脂」を披露した。
ストラタシスのPolyJet方式3Dプリンタは、インクジェットノズルから液状の光硬化性樹脂を射出することで、最小積層厚0.014mmで高精細に3Dプリントが行える。3〜7種類の材料を同時にセットできるマルチマテリアル対応機種やフルカラー対応機種など、さまざまな3Dプリンタをラインアップしている。中でも、Jシリーズは材料を混合することで任意の物性を作り出す「デジタルマテリアル機能」を搭載しており、質感の再現にも対応している。
2025年の夏中に国内での発売を予定
PolyJet ToughtONE 樹脂は、従来品と比べて耐衝撃性や強度、柔軟性を向上した3Dプリンタ材料で、穴あけやフライス加工、セルフタップ加工などにも対応している。さらに、ストラタシスの光造形材料であるRGB531S樹脂と組み合わせることで、耐衝撃性、柔軟性、寸法安定性、耐熱性をより高められる。
用途としては、一般消費者向けのエレクトロニクス製品や自動車の部品などの試作品作成が想定されている。
丸紅情報システムズの説明員は「PolyJet ToughtONE 樹脂は、高い靭性と強度を両立している点が最大の特徴だ。この製品は、従来品が抱えていた『負荷がかかると割れやすい』という課題を克服している。そのため、部品同士を接着剤やネジを使用せずに、材料の弾性を利用してはめ込むことで固定するスナップフィット構造などの検証に適している。加えて、耐熱性の高い材料と組み合わせて3Dプリントすることで、より強度と耐熱性を高めた部品を一体成形することも可能だ」と語った。
PolyJet ToughtONE 樹脂の対応機種は、ストラタシスのPolyJet方式3Dプリンタ「J826 Prime」「J850 Pro」「J850 Prime」となる。「PolyJet ToughtONE 樹脂の国内発売は2025年の夏中を予定している」(丸紅情報システムズの説明員)。
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