コラム
研究開発のDXを「PowerPoint上の勝利」で終わらせないために必要なこと:素材/化学メルマガ 編集後記
「R&D イノベーションサミット」の基調対談「AI時代の研究開発〜日本企業が市場優位性を取り戻すための改革とは」に触れながら、研究開発のDXについてつらつら語ってみました。
最近は取材でも、社内の会議でもAI(人工知能)活用について話を聞く機会が増えたなとつくづく思います。直近でいえば2025年6月3日に、Enthought(エンソート)が主催した講演イベント「R&D イノベーションサミット」に参加し、素材の研究/開発におけるAIやマテリアルズインフォマティクス(MI)の活用方法について取材しました。
このイベントでは、JSR 前名誉会長の小柴満信氏とエンソート 会長および最高経営責任者(CEO)のEric Jones(エリック ジョーンズ)氏による基調対談「AI時代の研究開発〜日本企業が市場優位性を取り戻すための改革とは」が行われました。
この基調対談は、スライドゼロのストロングスタイルでラフな感じの会話が中心だったんですが、AI活用やDX(デジタルトランスフォーメーション)について考えさせられる部分もありました。編集後記で取り上げるのには最適だと思いますので、R&D イノベーションサミットのこぼれ話として興味深かった部分を私見も交えて紹介します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
SpaceXやAppleに見る、日本のモノづくり力を過去の栄光とした先進の材料設計とは
エンソートのマイケル・ハイバー氏が「研究開発におけるAI活用事例:マテリアルズインフォマティクスによる材料探索と製品開発」と題した講演を行い、日本のモノづくり力を超える原動力となりつつあるAIを活用した先進的な材料設計について説明した。積水化学型MIは超やる気人財が主導、配合設計の検討速度900倍など成果も高速で創出
本連載では素材メーカーが注力するマテリアルズインフォマティクスや最新の取り組みを採り上げる。第1回では積水化学工業の取り組みを紹介する半年勉強するだけでもマテリアルズインフォマティクスは可能、TBMの挑戦
本連載ではメーカーが注力するマテリアルズインフォマティクスや最新の取り組みを取り上げる。第3回は環境配慮素材「LIMEX」と再生素材「CirculeX」を展開するTBMの取り組みを紹介する。JSRや出光はマテリアルズインフォマティクスのプロ人材をどのように育成したのか
本連載ではマテリアルズインフォマティクスに関する最新の取り組みを取り上げる。第4回は、国内化学メーカー向けにマテリアルズインフォマティクスのコンサルティング実績を積み重ねてきたEnthoughtを紹介する。MIの船出を後押しするデクセリアルズの伴走手法とは?
本連載ではマテリアルズインフォマティクスに関する最新の取り組みを取り上げる。第5回は、光学材料部品事業や電子材料部品事業を展開するデクセリアルズの取り組みを紹介する。