生成AIを業務で活用する人は35%、20代は60%が活用するも50代は31%:キャリアニュース
カオナビが「企業の生成AI活用に関する実態調査」の結果を発表した。全体の35.8%が業務で「生成AI」を使用していた。年代別に見ると、「20代」は60.9%が使用していたが、「50代」は31.5%にとどまった。
生成AIを活用したタレントマネジメントシステム「カオナビ」を提供するカオナビは2025年6月18日、「企業の生成AI活用に関する実態調査」の結果を発表した。
同調査は、全国の20〜50代の会社員、経営者である男女600人を対象とした。
初めに、業務で生成AI(人工知能)を使用しているか尋ねたところ、35.8%が「使用している」と回答した。内訳は「ほぼ毎日」が7.3%、「2、3日に1回」が11.5%、「週1回程度」が6.8%、「月1、2回程度」が10.2%となっている。
年代別に見ると、「20代」は使用している人の割合が非常に高く、60.9%が「使っている」と回答。使用率は年齢が上がるにつれて下がる傾向にあり、「50代」では「使っている」が31.5%にとどまっている。
次に、「生成AIの進展により、人間の役割や存在意義が薄れていくことに危機感を覚えますか」と尋ねた。全体の結果は、「非常にそう思う」が15.0%、「ややそう思う」が40.7%となり、55.7%が危機感を覚えていた。
生成AIをほぼ毎日使っている人に限定して回答を見ると、40.9%が「非常にそう思う」と回答しており、全体平均(15.0%)の2.7倍となった。生成AIによって人材が置き換えられることについて、使用頻度の高い人はより不安感を抱いていることがうかがえる結果となった。
生成AIの活用促進で求めたいのは「セキュリティ対策」
生成AIを業務で使用していると回答した人に、生成AIを最も頻繁に使用している業務を尋ねたところ、トップ3は1位「メールなど簡単な文章の作成」(27.4%)、2位「リサーチ、情報収集」(19.1%)、3位「アイデア出し」(15.3%)だった。
最後に、生成AIの活用を進めていく上で企業にどのような支援を求めるか尋ねた。最も多かったのは「セキュリティ対策」(44.0%)で、次いで「運用ガイドラインの整備」(42.5%)、「教育、研修」(34.8%)となっており、生成AIを安心して使える環境の整備が求められていることが分かった。その他、「成功事例の共有」(23.3%)、「システム導入費用の補助」(20.8%)、「経営陣の生成AI活用に対する理解」(17.3%)も2割前後の回答があり、現場と経営側、双方から生成AI活用を促進する土台づくりが求められていることがうかがえる。
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