ニュース
指に装着するだけ、非侵襲かつ連続的に血圧測定できるカフを発売:医療機器ニュース
日本ベクトン・ディッキンソンは、指にカフを装着するだけで、非侵襲かつ連続的に血圧を測定できる「VitaWaveフィンガーカフ」を発売した。血管にカテーテルを挿入せずに、血行動態パラメーターをリアルタイムで測定、モニタリングできる。
日本ベクトン・ディッキンソンは2025年5月19日、指にカフを装着するだけで、非侵襲かつ連続的に血圧を測定できる「VitaWave(ヴィタウェーブ)フィンガーカフ」を発売した。同社の「HemoSphere(ヘモスフィア)アドバンスド モニタ」と連携して使用する。
VitaWaveフィンガーカフは、患者の指に装着することで、血管にカテーテルを挿入せずに、血圧などの血行動態パラメーターをリアルタイムで測定、モニタリングできる。定期的に自動キャリブレーションしながら指動脈血圧を測定し、臨床データに基づいて橈骨動脈圧に変換する。
最大72時間の連続使用が可能で、1本の指に対して最大8時間連続で使用できる。また、動脈留置カテーテルを用いた観血的動脈圧測定との整合性を確認しており、非侵襲ながら良好な測定値を得られる。
患者が若く合併症が少ないなど、リスクの低い手術環境では、一般的に腕帯式血圧計による間欠的な測定で血圧を管理する。しかし、リスクの低い手術でも術中低血圧の発生率は低いとは言えず、術中の血行動態の変化を迅速かつ正確に把握する必要がある。同装置は、患者の負荷を軽減しつつ血圧波形を連続的に把握でき、術中低血圧に起因する合併症のリスク低減が期待される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
薬剤を2000倍に濃縮して内包できる無機ナノ粒子カプセル作製法を確立
北海道大学らは、無機ナノ粒子を構成要素としたナノサイズの中空カプセル構造体作製技術を開発した。薬剤を2000倍以上に濃縮して効率的に内包できるため、次世代の薬物送達キャリアとして期待される。血液から直接神経細胞を生み出す技術を開発
慶應義塾大学と藤田医科大学は、末梢血細胞からiPS細胞への初期化を介さずに神経細胞を産生する技術を開発した。誘導前の細胞が保有していた情報の一部を受け継ぐ神経細胞が、遺伝子導入から約20日で産生する。再起動したトランプ政権の公的医療保険改革とデジタルヘルス
本連載第111回で取り上げたように、米国の臨床現場における医療データ流通やAI利用を支えてきたデジタルヘルスは、第2次トランプ政権における公的医療保険改革ツールとして再起動した。協業契約に基づき、産婦人科向け超音波診断装置の新製品を発売
キヤノンメディカルシステムズとコニカミノルタは、両社の販売基本協業契約において取り扱う新製品として、女性診療に特化した超音波診断装置「Aplio beyond/Women's Healthモデル」を発売した。焦点深度を拡張した白内障治療向け非回折多焦点眼内レンズを発売
Johnson&Johnsonは、遠方から近方距離まで焦点深度を拡張した、非回折焦点深度拡張型眼内レンズ「テクニス ピュアシー」を国内で発売する。白内障手術用多焦点眼内レンズの新しい選択肢の1つとなる。患者の投稿画像からアトピー性皮膚炎の重症度を解析するAIモデル
慶應義塾大学と帝京大学は、アトピー性皮膚炎患者向け投稿アプリを用いて、患者自身が撮影した皮疹画像から重症度をAIが自動で解析、評価するAIモデルを開発した。