DNPが2台目の広幅コーティング装置稼働 光学機能性フィルム生産能力を15%向上:工場ニュース
大日本印刷は、2025年9月に三原工場(広島県三原市)で、2500mm幅の光学機能性フィルムのコーティング装置の稼働を開始する。
大日本印刷(DNP)は2025年6月18日、同年9月に三原工場(広島県三原市)で、2500mm幅の光学機能性フィルムのコーティング装置の稼働を開始すると発表した。DNPは、市場や顧客企業のニーズに対応して、2台目となる広幅コーティング装置を稼働させ、従来と比較して生産能力を面積ベースで15%以上向上させる。
2026年度に年間約1100億円の売上高を目指す
近年テレビの大型化に伴い、世界的に65インチを超える大型テレビの需要が高まっており、偏光板メーカーは、大型化に対応したラインを増強している。このような中、中長期的に大型テレビ向けの光学機能性フィルムの供給不足が懸念されている。
DNPは2025年9月に三原工場で2台目の広幅コーティング装置を稼働させることで、生産能力を向上させて光学機能性フィルムの安定的な供給につなげる。
この広幅コーティング装置を用いて稼働を開始する光学機能性フィルム生産ラインは、65インチの大型テレビ向けの生産(面付け)を高効率に行える。
さらに、テレビのハイエンドモデルのニーズに対応すべく、インライン多層コーティングが可能な設計になっており、単層コーティングの製品よりも映り込む光の反射を抑制し、視認性を高められる。加えて、消費電力を削減する新技術の導入や生産プロセスの効率化によって、従来と比較して年間のCO2排出量を約30%削減できる見込みだ。
今後DNPは、2500mm幅対応のコーティング装置の稼働開始によって、中国をはじめとする各国/地域の偏光板メーカーへ光学機能性フィルムの提供を拡大し、2026年度に年間約1100億円の売上高を目指す。
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