小スペースの梱包運搬パレタイズ自動化ライン、山善がロボットやAMR活用:FOOMA JAPAN 2025
山善 トータル・ファクトリー・ソリューション(TFS)支社は食品製造総合展「FOOMA JAPAN 2025」において、AMR(自律型搬送ロボット)や協働ロボットを活用したコンパクトな全自動ラインソリューションのデモンストレーションを行った。
山善 トータル・ファクトリー・ソリューション(TFS)支社は食品製造総合展「FOOMA JAPAN 2025」(2025年6月10〜13日、東京ビッグサイト)において、AMR(自律型搬送ロボット)や協働ロボットを活用したコンパクトな全自動ラインソリューションのデモンストレーションを行った。
協働ロボットとAMRを組み合わせた「ロボこたつ」
会場で披露したデモンストレーションは、食品工場における包装品の運搬から梱包、パレタイズまでの工程の自動化をイメージしている。
最初の搬送を担うのは、協働ロボットとAMRを組み合わせたモビリティシステム「ロボこたつ(ROBO-COTATZ、Corporated Technical Aid of TOHO and YAMAZEN)」。TFS支社の技術サポート部と山善グループ会社の東邦工業が共同で開発した。
ロボこたつ本体の上にTechman Robotの協働ロボットが搭載してあり、AMRがロボこたつの下に潜り込み本体ごと持ち上げ、移動させてロボットが作業する。ロボこたつの搬送を終えたAMRは、別の搬送作業を担うことができる。
AMRの誘導方式はLiDAR SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)式で、磁気テープなどは不要となっている。通常の停止精度は±10mmだが、2次元コードや反射テープを使うことで±5mmまで高めることができる。架台に2次元コードが貼られており、AMRに搭載されたカメラで読み込むことで正確な位置合わせを行う。
協働ロボットにはカメラが搭載してあり、ランドマークをカメラで読み取ることで停止位置のずれを補正してピック&プレースを行う。
ロボこたつがロボケーサーの投入口まで移動すると、協働ロボットがワークをロボケーサーに投入。ロボケーサーは2台の産業用ロボットを使用しており、まだシート状の段ボールを取り出し、製函してワークの箱詰め、封函までの一連の動作を行う。このロボケーサーは1分間で5〜10ケースの処理が可能という。供給コンベヤーなどを増やすことで、異なる箱の混流生産にも対応。タッチパネルで幅/高さ/奥行きの寸法を入力するだけで段取替えができるオートサイズチェンジ機構も搭載している。
封函を終えた段ボール箱を30kg可搬の協働ロボットがパレタイジングを行い、ロボこたつを移設したAMRがパレットを搬送する。
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