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「製造現場にちょうどいいデジタルを」、山善が10のサービスで複合型SaaS展開製造ITニュース(1/2 ページ)

山善は2024年2月21日にモノづくり企業向け複合型SaaSプラットフォーム「ゲンバト」のサービスを開始した。

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 山善は2024年2月21日、東京都内およびオンラインで記者会見を開き、同日にサービスを開始したモノづくり企業向け複合型SaaSプラットフォーム「ゲンバト」の概要について説明した。

必要な機能だけ手軽に始められる中小製造業向けサービス

 ゲンバトは4つの山善オリジナルのサービスと、6つのパートナー企業のサービスで構成される。

 オリジナルサービスは、紙で保管されている図面や関連書類をセキュリティが担保されたクラウド環境で一元管理する「図面管理」、加工工程で起きた不良の記録を発生から改善までまとめて管理することで可視化する「不良記録」、設備の点検業務を事前通知やカレンダー機能などで一元管理する「設備管理」、完成品メーカーや中小製造業など新たな取引先を探している企業同士を結び付ける「エンムスビ」の4つだ。各サービスは月額1万〜2万円で使用できるサブスクリプション型だ。

 パートナー企業のサービスは人材紹介会社に対して一括で人材紹介の依頼ができる「circus AGENT」、プロフェッショナルな人材を副業という形で獲得する「Skill Shift」、事業承継を支援する売り手専属のエージェントサービス「RISONAL M&A」、M&Aマッチングプラットフォーム「BATONZ」、スマートフォンで撮った現場写真で納期、進捗管理を簡単に行う「Proceed Cloud」、教育動画作成サービスの「tebiki」の6つだ。


「ゲンバト」の開始当初のサービス一覧[クリックで拡大]出所:山善

山善 営業本部 営業企画部 副部長 ゲンバト推進室長の藤川氏[クリックで拡大]出所:山善

 山善 営業本部 営業企画部 副部長 ゲンバト推進室長の藤川浩一氏は「ゲンバトで提供するサービスはこれで全てではない。既に第2弾、第3弾のサービスの開発に着手しており、パートナー企業様もどんどん広げていく。今後も皆さまのニーズにお応えするサービスを拡大していく」と意気込む。

 ゲンバトは「製造現場にちょうどいいデジタルを」をテーマにしており、「使いたいものだけ」「すぐに始められる」「安価で手軽な」サービスを標ぼうする。一部のオプションを除き、オリジナルサービスは2024年12月末まで無料で利用可能だ。5年目となる2028年度には目標契約数7000件、目標サービス利用額10億円を目指す。


山善 代表取締役社長の岸田氏[クリックで拡大]出所:山善

 山善 代表取締役社長の岸田貢司氏は「DX(デジタルトランスフォーメーション)活用の遅れ、人手不足そして事業承継といった課題を乗り越えて生産性を向上することが、日本のモノづくり企業、中小製造業の成長力の底上げを促し、引いては日本の製造業のさらなる成長への加速につながるものと考えている」と述べる。

 次ページでは記者会見の場で行われた、Industrial Value Chain Initiative(IVI)理事長で法政大学デザイン工学部 教授の西岡靖之氏、東大阪の金属加工会社である盛光SCM 代表取締役の草場寛子氏、藤川氏によるパネルディスカッションの内容を紹介する。

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