使用済みロケット燃料タンクがスピーカーに オリジナル楽曲の制作も:サステナブル設計
宇宙ロケットの開発資材を活用するアップサイクルプロジェクト「&SPACE PROJECT」は、乃村工藝社グループが推進するR&Dプロジェクト「noon by material record」と共同で、ロケット廃材から製作したロケットタンクスピーカー「DEBRIS」を発表した。
宇宙ロケットの開発資材を活用し、新たなプロダクトを創出するアップサイクルプロジェクト「&SPACE PROJECT」は2025年6月5日、乃村工藝社グループが推進する“素材=地球資源”をテーマとしたR&Dプロジェクト「noon by material record」と共同で、ロケット廃材から製作したロケットタンクスピーカー「DEBRIS(デブリ)」を発表した。
宇宙廃材から生まれたスピーカー
DEBRISは、宇宙産業が盛んな北海道広尾郡大樹町での開発試験に使用されたロケット燃料タンクをアップサイクルして製作されたスピーカーである。「宇宙は重力がなく上下左右という概念が存在しない」という視点から着想を得て、360度に音が広がる無指向性構造を採用している点が特徴だ。
本体上部には、金工作家の外山和洋氏による球形オブジェが設置されている。鉄、銅、アルミニウムなどの金属素材を一度溶解し、有機的な形状へと再構築することで、“素材の記憶”を表現している。
今回、DEBRISの製作に併せて、音楽制作にも挑戦している。トラックメーカーのGONNO氏に依頼し、大樹町でのフィールドレコーディングを基に楽曲を制作。風や波の音、ロケット発射台のビーコン音などを収録し、DEBRISの構造と音響特性に合わせて綿密に構成されたオリジナル楽曲に仕上げた。
同年6月27日には、東京都・日本橋にある「CITAN」でリリースパーティーを開催予定だ。これまでロケット燃料タンクがたどってきた開発過程などを“旅”と位置付け、その軌跡を目と耳で楽しめるイベントになるという。
(※)本記事は制作段階で生成系AIを利用していますが文責は編集部に帰属します(ITmedia AI倫理ポリシー)。
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