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配線器具用銅合金材の原料をリサイクル銅原料に:リサイクルニュース
パナソニック オペレーショナルエクセレンスと古河電気工業は、製品に使用する銅合金材の原料の一部を、銅地金から廃家電由来のリサイクル銅原料に置き換える再生スキームを構築した。
パナソニック オペレーショナルエクセレンス(PEX)は2025年5月19日、製品に使用する銅合金材の原料の一部を、銅地金から廃家電由来のリサイクル銅原料に置き換える再生スキームを構築したと発表した。古河電気工業と共同で、同年6月から運用を開始する。
同スキームでは、テレビやエアコンなどの廃家電をリサイクル工場で解体、選別した際に得られる銅リサイクル原料を、パナソニックのグループ企業であるパナソニックETソリューションズが高品位に分別。この分析結果を、古河電気工業が自社の分析値と照合してチェックした。
これにより古河電気工業は、銅地金の一部を銅リサイクル原料に転換しても、合金材の特性が安定する製造条件を確立した。PEXは、銅精錬メーカーを経由せず、原料を古河電気工業に直接供給できるようになった。
古河電気工業は、新たに確立した製造条件により、配線器具用銅合金「NFC-11」の製造プロセスでのCO2排出量を、銅地金を100%用いた場合と比べて約8%削減できる。
栃木県にある古河電気工業の日光伸銅工場では、水力発電によるクリーンエネルギーを100%使用して製品を製造している。銅リサイクル原料を使用したNFC-11をパナソニック製品向けの配線器具に使用することで、銅の資源循環とCO2排出量削減を同時に実施できる。
PEXは今後、銅リサイクル原料の活用に関する知見を他の製品にも水平展開し、環境負荷の軽減を推進していく。
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