パナソニック掃除機のリサイクルプラ活用事例、リサイクル材比率95%を実現できたワケ:ITmedia Virtual EXPO 2024 夏(1/2 ページ)
本稿では「ITmedia Virtual EXPO 2024 夏」で、パナソニック くらしアプライアンス社 くらしプロダクトイノベーション本部 コアテクノロジー開発センター 材料応用開発部 第一課の盆出真里氏が「パナソニック掃除機のリサイクルプラ活用」をテーマに行った講演の内容を紹介する。
アイティメディアは、2024年8月27日から9月27日まで、製造業向けの国内最大級のオンラインイベント「ITmedia Virtual EXPO 2024 夏」を開催した。本稿ではその中で実施された「パナソニック掃除機のリサイクルプラ活用」をテーマにパナソニック くらしアプライアンス社 くらしプロダクトイノベーション本部 コアテクノロジー開発センター 材料応用開発部 第一課の盆出真里氏が行ったセミナーの一部を紹介する。
パナソニックグループでは環境問題対策として「GREEN IMPACT PLAN2024」を掲げ、その一環として再生樹脂使用率を2022〜2024年度で累計9万トンとする目標を示している。今回はその達成に向けた再生樹脂活用推進について掃除機を例に解説した。
掃除機用リサイクル材料を開発するために4つの目標を掲げる
国内における家電リサイクルの取り組みとしては、2001年に施行された家電リサイクル法があり、冷蔵庫、洗濯機など特定家庭用機器廃棄物から有用な部品や材料をリサイクルし、廃棄物の減量とともに資源の有効利用を促進してきた。回収された家電は家電リサイクルプラントで資源として回収される。
パナソニックでも循環型社会の実現に向けて家電リサイクルの推進、リサイクル樹脂の使用拡大を目指している。具体的には、商品事業部で環境配慮型の設計/開発を行うことで、リサイクル樹脂を原料として商品に組み込み販売することを実現。さらに、家電リサイクル工場で使用済み家電を解体、選別、粉砕し、金属/樹脂などを資源として売却する。
そして、樹脂工場で家電リサイクル工場から購入した樹脂の洗浄、調整、ペレット化を行い、リサイクル樹脂へと加工し、それを商品事業部へ納入する仕組みを採用している。この循環により同社では樹脂の水平リサイクルを実現していく考えだ。
使用済み家電から取り出された汎用樹脂をリサイクルした樹脂については、ドラム式洗濯機の下枠、冷蔵庫のカバーコイル、エアコンの台枠、トレイ、照明の梱包部品などへの採用を2015年にスタートした。2016年以降は、リサイクルしにくいガラス繊維を含んだ樹脂などのミックス樹脂をリサイクルし、ビルトイン食洗器の中蓋やシステムバスユニットの位置決めブロック、カウンターテーブルアーム、燃料電池システムの基板ケースなどで採用している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.