自走パレットはルートを記憶、柔軟なレイアウト可能な立体搬送システム:FAニュース
SUSは、多品種少量、混流生産の搬送工程を自動化する立体搬送システム「iFAS」を開発した。パレットが搬送ルートなどを記憶して自走し、走行レーンと各種モジュールを組み合わせてレイアウトを構築できる。
SUSは2025年5月19日、多品種少量、混流生産の搬送工程を自動化する立体搬送システム「iFAS」を開発したと発表した。既に受注を開始している。
iFASは、パレットが搬送ルートや工程情報を記憶して、コース上を自走する搬送システム。パレットの搬送コースは、軽量で高剛性なアルミ製走行レーンと、コーナー、分岐、合流、昇降ユニットといったモジュールを自由に組み合わせて構成できる。平面的なレイアウトだけでなく、立体的で複雑なレイアウトを構築することも可能で、多品種少量、混流生産にも対応する。
自走式パレットは、走行レーンから直接給電するトロリー式を採用。バッテリーレスで、小型駆動モーターとマイコンを搭載し、可搬重量は最大10kgとなる。集中制御システムは不要で、パレットごとに搬送ルートや工程情報を光センサーで読み取らせることで、動きを個別に制御できる。軽量でコンパクトな設計により、消費電力を抑えた。
走行レーンには、転がり性能に優れたアルミ製ローラーを配置した。コーナーユニットは回転角度0〜90度で調整可能。分岐、合流ユニットは、2〜3方向の分岐、合流に対応する。昇降ユニットのストロークは300〜2800mmだ。
搬送システムの運用を開始した後、拡張やメンテナンスの必要が生じても、走行レーンや各種モジュールを追加、変更することで早期に対応できる。
iFASの販売は、パレット、走行レーン、コーナー、分岐、合流、昇降ユニットを組み合わせたセット販売となる。2028年には売上3億円を目標として掲げている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
三菱電機が国産リニア搬送システムを2024年投入へ、電気電子部品など主要市場に
三菱電機は「2023国際ロボット展」において、開発中のリニア搬送システムを参考出展した。2024年秋の発売を予定している。軽量物から数千kgの重量物まで運ぶ、米ロックウェルのリニア搬送システム
Rockwell Automation(ロックウェル・オートメーション)は年次イベント「Automation Fair 2023」において、リニア搬送システムのデモンストレーションを披露した。THKが次世代リニア搬送システム、つなぎ合わせを容易に
THKは「第3回 Factory Innovation Week[秋]」の構成展の1つである「第3回 スマート工場 EXPO[秋]」において、次世代リニア搬送システム「VTSシリーズ」を出展した。リニア搬送装置同士が高速同期制御、加減速ない止まらない設備で生産性向上
ベッコフオートメーションは「IIFES 2024」において、リニア搬送システム「XPlanar」などを活用したデモ展示を行った。盛り上がる「リニア搬送システム」、その期待と用途
「リニア搬送システム」が盛り上がりを見せている。制御技術の進化により、従来に比べて高速、高精度で個々の可動子を制御できることで、新たなモノづくりの実現ができるとされ、国内でもメーカーが相次いでいる。その期待と用途について解説する。