台湾の釣具メーカーが手掛ける「観光工場」の魅力:ワクワクを原動力に! ものづくりなヒト探訪記(23)(3/3 ページ)
本連載では、新しい領域にチャレンジする中小製造業の“いま”を紹介していきます。今回は、台湾の釣具メーカーであるOKUMAが運営する観光工場「OKUMA CENTER」の訪問記を、工場長のインタビューを交えてお届けします。
施設案内編(3):ワークショップエリア
観光工場では、その企業のテーマに関連したワークショップも開催されています。OKUMA CENTERには船内をイメージしたワークショップエリアがあり、魚拓風のスタンプ遊びやポウの絵付け体験などが子どもたちに人気だそうです。
本格的な釣具の組み立て体験もあり、価格は50〜580台湾ドル(2025年2月当時/日本円で220〜2600円)でした。
施設案内編(4):3階の釣具工場エリア
3階では、釣具の製造工程や品質検査の様子を見学できます。リールは部品点数が多く、小さな部品も無数にあるため、自動化できない部分は現在も人の手で組み立てられています。
館内には台湾語と英語の案内表示があり、一部には日本語音声ガイドが聞けるQRコードも設置されています。
OKUMA CENTERの雰囲気が伝わりましたでしょうか。釣りの楽しさだけでなく、海を守ることの大切さや、釣具の製造過程なども学べる、子どもから大人まで楽しめる観光工場でした。ちなみに、レストラン(2025年1月にリニューアルオープン)も完備されているので、子ども連れでも休憩を挟みながらのんびりと見学できそうです。
著者紹介
ものづくり新聞
Webサイト:https://makingthingsnews.com/
note:https://note.com/monojirei
「あらゆる人がものづくりを通して好奇心と喜びでワクワクし続ける社会の実現」をビジョンに活動するウェブメディアです。
2025年現在、180本以上のインタビュー記事を公開。伝統工芸、地場産業の取り組み、町工場の製品開発ストーリー、産業観光イベント、ものづくりと日本の歴史コラムといった独自の切り口で、ものづくりに関わる人と取り組みを発信しています。
編集長
伊藤宗寿
製造業向けコンサルティング(DX改革、IT化、PLM/PDM導入支援、経営支援)のかたわら、日本と世界の製造業を盛り上げるためにものづくり新聞を立ち上げた。クラフトビール好き。
記者
中野涼奈
新卒で金型メーカーに入社し、金属部品の磨き工程と測定工程を担当。2020年からものづくり新聞記者として活動。
佐藤日向子
スウェーデンの大学で学士課程を修了。輸入貿易会社、ブランディングコンサルティング会社、日本菓子販売の米国ベンチャーなどを経て、2023年からものづくり新聞にジョイン。
木戸一幸
フリーライターとして25年活動し、150冊以上の書籍に携わる。2022年よりものづくり新聞の記事校正を担当。専門はゲーム文化/サブカルチャーであるが、かつては劇団の脚本を担当するなど、ジャンルにとらわれない書き手を目指している。
小柴寿美子
ナレーター。企業PV・Web-CMなど2000本以上。元NHKキャスター・リポーターとして番組制作をしていた経験を生かし、2024年9月からものづくり新聞へ参入。粘り強い取材力が強み。
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